3. 定年前の「やることリスト」に載せておきたい3項目!
ここまで、50代世帯の貯蓄事情をながめてきました。定年退職前のラストスパートともいえる時期。いまいちど、日頃の暮らしとお金について見つめ直そうと感じた人も多いかもしれません。
そこで、定年退職を迎える前の「やることリスト」にぜひ載せておきたい項目を、3つに絞ってお話しします。
3.1 将来の「年金収入」と「支出」を長期目線で把握する
老後の主な収入は年金になります。まずは自身の年金額がいくらなのかを把握しましょう。年金収入で支出がカバーできるのか事前に把握することが大切です。
もし年金だけでは不足すると感じたら、定年退職までの残り期間は、最後のお金の貯め時です。とはいえ、定年退職の前にまずは役職定年など、段階的に収入が下がっていく可能性もありますね。
「いつまで・いくらの」収入が見込めるのか、退職金はどのくらいの金額をつかみ、長期的な収支の見通しを立てていきましょう。
足りない場合には、働く期間を延ばすことを考える必要がありますね。働く期間を長くできるなら、年金の受け取り開始時期を遅らせて年金額を増やす方法の「繰下げ受給」も選択肢の一つとなるでしょう。
「繰下げ受給」は受け取りを遅らせるだけで年金額が増加する仕組みです。増加率は一生涯適用となります。受給開始までの資金繰りや健康面が許す場合、年金受け取りの開始時期をいつにするか検討してみるのも一案かもしれません。
3.2 「家計のスリム化」に本気で取り組む
50代はサラリーマンであれば年収のピークを迎える人が多い時期。それにともない、生活水準も上がる世帯もあるでしょう。
しかし、現役時代の生活レベルを年金生活で維持し続けることができるのは、決して多数派とはいえないでしょう。日頃の家計を見直し、今一度、「必要な支出なのか・そうでないのか」を考えてみましょう。
年金暮らしになったからといって、すぐに節約家に変身できるわけではありません。家計のスリム化は貯蓄を増やすことにつながり、年金生活への良き助走期間となるでしょう。