2.「年金が少ない!?」10月の年金額に驚くシニアがいるワケ

ここまでは年金のしくみと、今のシニア世代が受け取っている年金額をながめてきました。

老後に受け取る年金額は、現役時代の働き方や収入により個人差があります。とはいえ、すべての人が共通して知っておきたいポイントがあります。

それが、「年金からも天引きされる税金や社会保険がある」ということ。

ここからは、年金から天引きされるこれらのお金について整理していきます。

2.1 年金から天引きされるお金 その1 「介護保険料」

年金から天引きされるお金の一つ目は介護保険料です。40歳から64歳までは、健康保険料に含めて納めます。

65歳以降は健康保険とは切り離して単体で納付しますが、年金支給額が18万円以上(年額)の場合は、年金からの天引きとなります。

また、要支援・要介護認定をうけ公的介護サービスを利用するようになっても、介護保険料の支払いは生涯続きます。

2.2 年金から天引きされるお金 その2 「健康保険料」

2つ目は健康保険料です。国民健康保険や、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険料も、原則年金からの天引きで納付します。

2.3 年金から天引きされるお金 その3 「個人住民税」

3つ目は個人住民税です。前年中の所得に対してかかる住民税も、年金からの天引きで納めます。

介護保険料や健康保険料とは異なり、収入が一定額に満たなければ非課税となるため、支払い義務が発生しないケースもあります。

2.4 年金から天引きされるお金 その4 「所得税および復興特別所得税」

4つ目は「所得税および復興特別所得税」です。年金収入が一定以上になると支払い義務が発生します(※)。

また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の徴収時に復興特別所得税も課税されます。

※障害年金や遺族年金は「所得税および復興特別所得税」の課税対象外です。

ここまで年金から天引きされるお金を4つ、整理しました。現役時代の給与と同様、老後の年金からもこうした天引きがあることは、意外な盲点だったかもしれません。

次ではもう少し詳しく、「年金からの天引き」について見ていきます。