国民健康保険料の上限金額見直しとは

国民健康保険制度において、保険料の負担は加入者の負担能力に応じて、公平に決める必要があるとされています。

ただし、そこまで医療機関を利用していないのに収入が多いために高い保険料を負担していると感じる人もいることや、保険制度を円滑に運営していく必要があるという考えから、被保険者の保険料負担額には上限が設けられています。

そして、この上限額の見直しはこれまでも繰り返し行われており、実は今年度(令和4年度)も3万円引き上げられたばかりです。

出所:厚生労働省「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」

その前の見直しは令和2年度で、この時も3万円の引き上げが行われています。

上限金額を引き上げなかった場合の影響

現在の日本では、少子高齢化が進んでいる一方で、就労者の所得が伸びない状況が続いています。

このような中で、上限金額を引き上げず、国民健康保険料の保険料率の引き上げだけによって保険料収入を確保しようと考えると、おのずと高所得層の負担は変らないにもかかわらず、中間所得層の負担が重くなるという問題が発生します。

上限金額を引き上げた場合の影響

しかし、保険料率の引き上げとともに、上限金額の引き上げも合わせて行うことで、高所得者の負担は増えるが、中間所得層の負担を抑えることになり、結果的に中間所得層に配慮した保険料の設定が可能になります。