金融所得課税を強化する事は必要ですが、NISAの拡大とセットで行なうべきです(経済評論家 塚崎公義)。

高額所得者ほど所得税率が低くなる逆転現象とは

出所:国税庁「No.2260 所得税の税率」

所得税は累進課税が原則です。給料が非常に高い人などは所得税率が45%であり、地方税も加えると所得の半分を税金として払う事になりかねません。

しかし、例外があります。株や不動産の売却益等は、税率20%を選択することができるのです。そこで、株の配当や譲渡益などで何億円も稼いでいる人が数千万円の給与所得者より税率が低いという事が起き得るわけです。

こうした状況を改善するため、政府は金融資産からの所得にも一般の所得税と同じ税率を課すという事を検討しているようです。

その事自体には、筆者も賛成ですが、注意すべき点もあります。それは、庶民の株式投資を阻害しない、ということです。