1.3 「繰下げ受給」で、年金額はどう変わる?

冒頭でも触れましたが、繰下げ受給の上限年齢は、2022年4月に、70歳から75歳に引き上げが行われています。

仮に75歳まで繰下げた場合には、増額率は「0.7%×12カ月×10年=84%」に。ひと月の受給額が最大84%上がるわけです。

年金の繰下げ増額率早見表

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

年金月額が10万円の場合

一例として、「年金月額が10万円」のケースをみてみましょう。

  • 1カ月遅らせると…:10万700円
  • 1年(12カ月)遅らせると…10万8400円
  • 10年(120カ月)遅らせると…18万4000円

75歳で受け取り始めた場合、本来10万円だった年金額が、18万4000円まで上がります。

年金月額15万円の人であれば18万4000円に、年金月額20万円の人であれば、36万8000円まで増えるわけです。健康状態や受給開始までの資金繰りによっては、検討したい制度の一つであることは確かでしょう。

とはいえ、繰下げ受給の「デメリット」についてはしっかり理解しておく必要があります。次で詳しく見ていきましょう。