2022年9月16日より、順次「令和5年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」が送付されています。

これは公的年金が源泉徴収の対象となる方向けで、2023年2月以降に支払われる年金から源泉徴収される所得税について、配偶者控除等、各種控除を受ける際に必要な書類となります。

手続きをすることで年金の手取りをアップできるかもしれない書類。提出期限は10月31日でしたが、新たに老齢年金の請求手続きをした方など、一部まだ手続き期間中の方もいます。

対象となる方や手続きの詳細について知っておきましょう。

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1. 年金「扶養親族等申告書」を出すべき人とは

公的年金は、必ずしも額面と手取りが一致するわけではありません。一般的に手取り額は小さくなりますが、「扶養親族等申告書」を提出することで税負担を軽減できる可能性があります。

その対象者を見ていきましょう。

1.1 (1)年金から源泉徴収されている

公的年金が一定の金額を超えた場合、「雑所得」として所得税および復興特別所得税がかかります。

これらの対象となった方にのみ、書類が送付されてきます。具体的には65歳未満で108万円以上の方、65歳以上で158万円以上の方です。

ただし、障害年金、遺族年金には税金がかからないため対象外です。

1.2 (2)控除対象の項目に該当する

以下の所得控除の項目にあてはまる場合、書類を提出することで控除対象になる(=年金の手取りがアップする)可能性があります。

  • 本人が障害者または寡婦・ひとり親
  • 控除対象となる配偶者または扶養親族がいる
  • 退職手当を受ける見込みの配偶者・扶養親族がいる

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出所:日本年金機構「大切なお知らせ」

これらの条件を満たす場合、書類に必要事項を記載して提出しましょう。

2. 「令和5年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記入方法

書類が送られてきた場合、「扶養親族等申告書作成と提出の手引き」が同封されています。基本的には記入例に従い、該当する欄に必要事項を記入しましょう。

前年に提出している場合、予め内容が印刷してあるので、変更がない場合には「変更なし」に◯をつけて提出します。

気をつけたいのが、前年から変更がある場合です。

まず「変更あり」に◯をつけた上で、該当事項で修正申告をする必要が出てきます。

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出所:日本年金機構「扶養親族等申告書作成と提出の手引き(継続用)」

二重線で消した後に正しい情報を記入するため、もし選択式で◯がついている項目を訂正する場合、◯を二重線で消した後に正しい項目へ◯を付けます。

また完全に抹消する場合は、消すべき事項に二重線を引いて抹消します。このとき訂正印は不要です。

必要事項を記入できたら、同封された返信用封筒を使って郵送しましょう。ただし、切手は自己負担となります。84円切手を貼った上で投函しましょう。

3. 年金からは天引きされるお金があることに注意

年金初心者の方は、年金からも税金が天引きされることに驚かれることがあります。しかし天引きされるのは税金だけではありません。

給与から引かれるのと同様に、健康保険料も天引きされるのです。

3.1 年金から天引きされる健康保険料

  • 介護保険料(65歳以上)
  • 国民健康保険料(75歳未満)
  • 後期高齢者医療保険料(75歳以上)

介護保険料が天引きされているなどの条件があるため、天引きされないこともあります。しかし、その場合でも口座振替や納付書によって納める必要があるため、負担は変わりません。

税金は非課税の方もいますが、保険料は必ず発生することに注意しましょう。

3.2 年金からいくら天引きされるのか

年金から天引きされる税金や保険料は、それぞれの年金所得やその他の収入によって異なります。ここでは総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」からから平均金額をご紹介します。

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出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

資料によると、65歳以上の夫婦のみ・無職世帯の平均的な税負担は1万2109円、社会保険料は1万8529円でした。

年金収入の平均が21万6519円なので、手取りは月18万5881円になるということです。こう考えると、老後の負担は意外に重いことがわかりますね。

4. 老後に向けて制度のチェックと貯蓄を欠かさない

年金からも税金や健康保険料が天引きされることを考えると、老後のマネープランがますます重要になることがわかります。

資産運用や保険を駆使して貯蓄を築くことも重要ですし、働いて収入アップを目指す方もいるでしょう。

今回ご紹介した扶養親族等申告書をしっかり提出することで、手取りを意識することも重要です。

制度のチェックは欠かすことなく、老後資金を確実に形成していきましょう。

参考資料