今年の夏、金融教育家の塚本俊太郎さんをゲストに招き、資産形成に関心がある方を対象としたオンラインセミナー『「貯める・増やす」ための基本』を開催しました。セミナーの中で、参加者の方からの質問にお答えする時間を設けたところ、非常に多くの質問をいただきました。

前回の記事に続いて、セミナー当日はお答えできなかったいくつかの質問に、この場をお借りしてお答えしたいと思います。

質問:毎月の積立以外にスポットでも投資を行いたいのですが、よいタイミングはありますか?

回答

資金に余裕があって、追加で投資してもよいと思われたタイミングで、入金するのがおすすめです。投資に最適なタイミングを見極めるのはプロでも難しいため、ご自身が投資したいと思われたタイミングで行動に移すことをおすすめします。

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出所:金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」

投資タイミングの見極めが難しい理由の一つとして、株価は特定の要因によって動くわけでもなければ、景気と連動するわけでもないことが上げられます。

株価は今後への期待値に応じて動く指標であり、期待の背景にはさまざまな要因が考えられます。一般的に、下がっているとき(安いとき)に買うのが投資の鉄則と言われますが、どのタイミングで下げ止まるかは読めず、明日には上昇基調に転じるかもしれません。

長期投資を目的とするのであれば、安いときに買うことにこだわり過ぎず、少しでも早く始めたほうが、長期的には多くのリターンを得られる可能性が高まるかもしれません。

あくまでも無理をせず、まずは生活資金や生活防衛資金を確保したうえで、投資額を増やしてもよい場合は、タイミングを狙いすぎないようにしましょう。

質問:少ない金額でもできる投資はありますか?

回答

最近、月100円などの少額で買える投資信託や、貯めたポイントを投資にまわせるサービスも増えてきました。投資に慣れるためには、そのようなサービスを利用するのは有効な手段だと思います。

少ない金額で始めたほうが、下がったときの心理的な負担は少なくて済みます。同じ10%の下落でも、1万円投資して翌月には9000円に下がった場合と、1000円投資して翌月には900円に下がった場合を比較すると、後者のほうがショックは少ないでしょう。

投資を長く続けるうえで、最初に心理的負担が多くかかり過ぎて、諦めてしまうことになるのはもったいないことです。無理のない範囲の少ない金額で始めて、価格が上下する感覚を身に着けてから、徐々に投資金額を増やしていくことをおすすめします。

質問:今後、日本国内への投資はしていくべきですか?

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回答

中長期的にリスクを抑えながら投資を行ううえで、日本も含む世界全体に分散することがおすすめです。

日本国内にも、イノベーションを起こして新たな価値を生んでいる企業や、長期的に企業価値を向上させている優良企業は数多くあります。応援したい企業の株式を購入し、オーナーの一人になるのは投資の醍醐味の一つとも言えるでしょう。

ただし、長期の資産形成において、資産の中心となる部分は、世界中の資産に幅広く分散させることをおすすめします。過去30年を振り返ると、日本の経済成長率に比べて、世界経済全体の経済成長率は高い水準で推移してきました。

世界全体の人口が増加し、労働生産性が向上する前提において、世界への分散投資を行うことは合理的な資産形成の方法と言えます。

質問:資産運用の出口対策として何に気を付ければよいか、教えてください

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回答

引き出すときは、相場がよいときではなく、使うタイミングが来たときと決めておくことが重要です。買うときと同様に、売るときにも最適なタイミングを測ることは難しいため、タイミングを狙いすぎないことが重要です。

「使うタイミングに相場の状況が悪かったらどうしよう」と考える方もいると思います。一括ですべての金額を引き出すのではなく、毎月少しずつ必要な額を引き出しながら、運用を続ける方法もあります。積立を山登りにたとえると、山をゆっくりと下っていくようなイメージです。

少しずつ、取り崩しながら運用を続けることで、仮に一部を引き出すタイミングで相場が下落基調になっていたとしても、資産全体への影響を抑えることができます。また、できる限り長く続けることで、長期投資の効果を最大化することが目指せるでしょう。

参考資料