1. 高齢単身世帯「賃貸住まい」は3割超。全体より多めに
ひとりの老後資金を考える時、大きく左右するのが「年金・貯蓄」と「住まい」です。
そのうち、老後資金にいくら必要か考えるためにも、持ち家か賃貸かで必要額は異なるでしょう。
総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要 」によると、65歳以上の世帯員のいる主世帯(2253万4000世帯)のうち、持ち家は1848万9000世帯(82.1%)、借家が400万9000世帯(17.8%)です。
ただ「高齢単身世帯」(638万世帯)でみると、持ち家が422万5000世帯(66.2%)、借家が213万7000世帯(33.5%)となっており、賃貸住まいが多めになっています。
「高齢単身世帯」の住まいについて、その推移をみると、2013年と比べて持ち家が60万3000世帯(16.7%)増、借家が26万3000世帯(14.0%)増。
1993年からの推移をみると、高齢単身世帯が年々増加しているのがわかります。
高齢単身世帯の借家の割合については、1993年の35.2%から33.5%と減少しています。
借家の平均的な家賃を見ると「5万5675円」です。
たとえば65歳から年金生活となり、老後を65~90歳の25年と仮定した場合、家賃だけで約1670万円が必要となります。
現代は60歳代後半でも約半数が働いていますから、70歳までは働きたいという方もいるでしょう。それでも約1336万円が必要です。
老後資金は家賃だけでなく、生活費の不足分、旅行やレジャー、病気や介護費用なども必要になります。
そう考えると、賃貸住まいの高齢単身者であっても2019年の「2000万円問題」は決して他人事ではないと言えそうです。