多くの方が憧れる「夢のセカンドライフ」。

しかし現代は、「いつになったらセカンドライフが迎えられるの?」「セカンドライフという言葉は夢かも…」なんて考える時代になりつつあるかもしれません。

先日、政府が国民年金の納付期間を45年間に延長することを検討すると公表されました。特に現役世代は「年金の納付期間だけでなく、受給開始年齢も伸びるのではないか」と不安を覚えたでしょう。

現代であっても、60歳代の多くが仕事を続けています。これからの現役世代にとっては夢のセカンドライフどころか、「セカンドライフは夢だった」なんてことになりかねません。

現時点の60歳代の仕事とお金事情をみていきましょう。

60歳代で半数以上が働く時代に。女性も4割以上が就業

少し前まで当たり前だった定年後のセカンドライフも、現代においては当たり前ではなくなりました。

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出所:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

出所:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

今は60歳代前半で全体の71.5%が、60歳代後半でも50.3%が働く時代です。

男女別に見ると、男性は60歳代前半で約8割、後半で約6割、女性は前半で約6割、後半でも約4割の方が働いています。

少し前までは60歳で定年でしたが、今や仕事を続ける人のほうが多くなりました。

60歳代の平均年収は給与所得者でいくらか

では、現代の60歳代は年収でいくらくらい稼いでいるのでしょうか。

国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」より60~70歳代の給与所得者の平均年収を確認しましょう。

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出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

60~70歳代の平均年収:男性・女性

全体平均:545万円・302万円

  • 60~64歳:537万円・262万円
  • 65~69歳:423万円・216万円
  • 70歳以上:369万円・210万円

60歳代前半の男性の場合、男性の全体平均を上回り平均年収537万円に。60歳代後半で423万円、70歳以上になると300万円台まで下がりました。

一方で女性は女性の全体平均を下回りましたが、60~70歳代以上まで年収200万円台で推移しています。

実際には雇用形態や業種により個人差が大きいですが、60歳代の男性だと現役時代まではいかないものの、まとまった収入を得ていることがわかりましたね。

しかしその分労働時間が長いことなどが考えられ、自分の趣味に時間を費やすような生活を送るのはまだ60歳代では難しいでしょう。

60歳代の平均貯蓄額はいくらか、貯蓄分布を円グラフで見る

60歳代で仕事を辞めるか、それとも続けるかを左右するのは「貯蓄」によるところが大きくなります。

生活費に赤字が出ず、まとまった貯蓄があればセカンドライフに入れるでしょう。

では現代の60歳代の平均貯蓄額について、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を参考に確認します。

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成

60歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 平均値:2427万円
  • 中央値:810万円

60歳代の貯蓄は平均で2000万円を超え、約3割は2000万円以上を保有していました。

しかし平均は一部の富裕層の影響を受けるもの。より実態に近い中央値をみると、810万円と1500万円以上も下がりました。

貯蓄が2000万円以上あり、持ち家で生活費に赤字が出ない状況であれば、セカンドライフに入る方もいるでしょう。

しかし貯蓄が2000万円以下だったり、年金のみで生活費に赤字が出るのであれば仕事を続けたいものですよね。

病気をした時や介護にかかるお金も気になるところ。現代の60歳代が働く理由が貯蓄からも一部見えました。

セカンドライフは幻か

厚生労働省によれば、健康寿命は男性で72歳、女性で75歳です。

「体が自由に動いて体力のあるうちに趣味や旅行を楽しみたい」という方も多いでしょう。

しかし60歳代後半でも半分が働いている今、セカンドライフはだんだんと一般的ではなくなりつつあります。

さらに現役世代が老後を迎える頃には、公的年金の受給額が下がったり、受給年齢が伸びることも考えられます。

先ほど貯蓄額を確認したように、セカンドライフを送るためには老後の貯蓄がカギとなります。仕事を辞めても公的年金の他に私的年金等が入る、十分な貯蓄があるという状態が望ましいでしょう。

住宅ローンや教育費の負担が大きい中では難しいですが、まとまった貯蓄を作るには毎月の積み重ねが大切です。預貯金のほかにNISAやiDeCoといった国の税制優遇制度も活用しながら、老後に向けた資産形成を考えましょう。

参考資料

宮野 茉莉子