2. 65歳以上「リタイア世帯」の貯蓄はいくら?
ここからは、今回のテーマである「65歳以上・無職世帯」の貯蓄事情を見ていきましょう。
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年平均結果(二人以上世帯)」を参考にします。
2.1 「65歳以上・無職世帯」の貯蓄額
平均貯蓄現在高:2342万円
《内訳》
- 通貨性預貯金:623万円
- 定期性預貯金:924万円
- 生命保険など:403万円
- 有価証券:388万円
- 金融機関外:4万円
2.2 「65歳以上・無職世帯」の平均貯蓄現在高は2342万円
2000万円の大台には乗っていますが、こちらはあくまでも平均値。相続・贈与があった世帯や、定年退職金を受け取った世帯なども含めた平均である点には留意が必要でしょう。
貯蓄の内訳に目を向けると、銀行などの預貯金が約7割と優勢です。
「必要なときに引き出しやすい」「基本的に元本保証がある」といった点で、預貯金に安心感を覚える人が多いのかもしれません。
日本人は「預金好きで投資を好まない傾向にある」としばしば言われています。
日本銀行調査統計局が公表する「資金循環の日米欧比較」でも、家計の金融資産で「現金・預金」が占める割合は、日本:54.3%、米国:13.3%、ユーロエリア:34.3%。
アメリカ、ユーロ圏と比べても、預貯金が優勢であることがわかります。
貯蓄を預貯金だけで保有していた場合、将来インフレが起きれば資産は目減りします。資産形成を行う上で、投資信託や株式など、預貯金以外の手段に視点を向けてみるとよいかもしれません。