食生活の変化や医療の進歩などにより、日本人の平均寿命は伸び続けています。
長くなるリタイア後の生活を実り豊かなものとするために、「お金の準備」についても早めに意識しておきたいですね。
今回は、65歳以上のリタイア(無職)世帯の貯蓄事情にフォーカスし、老後資金の準備について考えていきたいと思います。
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1. 【男女別】いまどき日本人の平均寿命
さいしょに、2022年7月29日に公表された厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」から、最新の日本人の平均寿命を見てみましょう。
1.1 日本人の平均寿命(令和3年)
- 男性:81.47歳
- 女性:87.57歳
世界でも有数の長寿大国の一つである日本。長期的にみても、女性のほうが男性よりも長寿という傾向があります。平均寿命の男女差は6.10歳ですね。
1.2 平均寿命まで生きると、年金生活はどのくらい続くの?
日本の年金受給開始年齢は、一般的には65歳です。仮に平均寿命まで生きた場合、男性ならば約16年、女性ならば約22年の年金生活が続くことになります。
老後のお金事情には、もちろん大きな個人差・世帯差があります。年金額や貯蓄額は人それぞれ。働いている人もいれば、不労所得を得ている人もいます。
「年金のみ」で暮らしていける世帯は決して多数派ではないかもしれません。コツコツ貯めた老後資金を切り崩す、家賃収入などの不労所得に頼る、など、年金以外の収入を得るための準備は、ほとんどの世帯で必要となるでしょう。
もちろん、できるだけ長く働き続ける、という選択肢もありますね。
1.3 「何歳まで働く?」60歳代の就業率について
ちなみに、60歳代で働く人の割合はどのくらいでしょうか。
内閣府の「令和4年版高齢者社会白書(全体版)」より、60歳代の就業率をチェックします。ここ10年の推移についても注目しましょう。
1.4 60~64歳の就業率
2011年:57.1%
↓
2021年:71.5%
1.5 65~69歳の就業率
2011年:36.2%
↓
2021年:50.3%
60歳代前半・後半ともに、2012年から2021年にかけて就業率は上昇しています。シニア世代の就労を後押しする制度の整備が進んでいることも、この背景の一つであることは確かでしょう。
定年退職後も働き続ける、という選択肢が現実的になったという点に安心感を覚える方もいるかもしれません。とはいえ、年を重ねるごとに体力面での心配も増えます。
もちろん長く働き続けるモチベーションは大切にしたいものですが、老後を見据えたお金のプランは、長いリタイア生活を前提として立てておけるとよいですね。
2. 65歳以上「リタイア世帯」の貯蓄はいくら?
ここからは、今回のテーマである「65歳以上・無職世帯」の貯蓄事情を見ていきましょう。
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年平均結果(二人以上世帯)」を参考にします。
2.1 「65歳以上・無職世帯」の貯蓄額
平均貯蓄現在高:2342万円
《内訳》
- 通貨性預貯金:623万円
- 定期性預貯金:924万円
- 生命保険など:403万円
- 有価証券:388万円
- 金融機関外:4万円
2.2 「65歳以上・無職世帯」の平均貯蓄現在高は2342万円
2000万円の大台には乗っていますが、こちらはあくまでも平均値。相続・贈与があった世帯や、定年退職金を受け取った世帯なども含めた平均である点には留意が必要でしょう。
貯蓄の内訳に目を向けると、銀行などの預貯金が約7割と優勢です。
「必要なときに引き出しやすい」「基本的に元本保証がある」といった点で、預貯金に安心感を覚える人が多いのかもしれません。
日本人は「預金好きで投資を好まない傾向にある」としばしば言われています。
日本銀行調査統計局が公表する「資金循環の日米欧比較」でも、家計の金融資産で「現金・預金」が占める割合は、日本:54.3%、米国:13.3%、ユーロエリア:34.3%。
アメリカ、ユーロ圏と比べても、預貯金が優勢であることがわかります。
貯蓄を預貯金だけで保有していた場合、将来インフレが起きれば資産は目減りします。資産形成を行う上で、投資信託や株式など、預貯金以外の手段に視点を向けてみるとよいかもしれません。
3.じょうずな資産形成「3つのコツ」
ここからは、資産形成の「3つのポイント」についてお話したいと思います。
3.1 資産形成のポイント1. 貯蓄の目標金額を知る
まずは、老後資金はどのくらい準備が必要か、その目標金額を知ることが大切です。
老後はひと月どのくらい生活費がかかりそうか、自宅のリフォームなど大型出費が必要となる予定はあるか。そして、年金をいくら受給できそうか。
ここから、大まかな貯蓄目標額を計算することができるでしょう。
3.2 資産形成のポイント2. 資産運用のスタートは早めに
「時間」は資産運用の大きな味方です。
「じっくり時間かけて」行うことで、複利のメリットを最大限に生かすことに繋がります。
複利とは、投資で得られた利益を、再投資に回すこと。「利子が利子を生む」などと表現されることも。資産を雪だるま式に増やしていく手法です。
3.3 資産形成のポイント3. 積立投資を利用する
3つめのポイントは、「積立投資」に目を向けること。毎月の投資額が小さい金額でも、先ほどの複利の力を借りて、お金を効率よく増やすことに繋がります。
たとえば、毎月3万円を30年間、預貯金で積み立てた場合、元金のトータルは1080万円になります。
一方、同じ金額(3万円)を積立投資に回し、仮に年率5%で最初から運用できた場合、30年後には約2500万円にまで育つ計算になります。
投資にはリターンとリスクが伴います。一度に大きな金額分を買付けた場合、値下がり時に大きく損をする可能性も。
「積立投資」の場合、「価格が低いときには多く、価格が高いときには少なく」を定期的に購入していくため、単価が平準化し、運用益の安定にも繋がります。早めのスターを意識して、コツコツと長期で積立投資を行うことができるとよいですね。
4. ライフスタイルに合った方法で、上手な資産形成を
今回は、いまどき日本人の平均寿命やシニアの就業率に触れたあと、65歳以上・リタイア世帯の貯蓄について眺め、老後に向けた資産形成について考えました。
ときには数千万円以上とも言われる「老後資金」は、ほとんどの世帯にとって、一朝一夕で準備できるものではないでしょう。
預貯金や資産運用などを上手に組み合わせながら、効率よく資産形成を進めていけるとよいですね。ライフスタイルや性格に合う方法で、上手に貯蓄を増やし、守っていきましょう。



