内閣府『令和4年版高齢社会白書』によると、いまから43年後の2065年には日本人の平均寿命が男性84.95年・女性91.35年まで延びると見込まれています。
つまり、65歳から老後生活がスタートすると考えた場合、男性で約25年間・女性で約31年間も年金を収入源とした毎日をおくることに。
仮に厚生年金の受給額が月10万円変われば、25年間で3000万円。31年間では3720万円も年金の総受取額に差が生まれます。
ゆとりのある暮らしをするためには月20万円以上は欲しい‥と感じている人も少なくないと思いますが、厚生年金を20万円以上受け取れている人は何割いるのでしょうか。
また、厚生年金が10万円未満となる年収についても触れていきたいと思いまます。
【注目記事】厚生年金の見込みが20万円だった男性。手取りの少なさに愕然としたワケ
1. 厚生年金は老後資金の柱!高齢者の平均所得は
同資料によると、高齢者世帯(65歳以上の者のみ、または65歳以上の者に18歳未満の未婚の者が加わった世帯)の平均所得金額は312万6000円です。
これは、全世帯から高齢者世帯と母子世帯を除いたその他の世帯とくらべて半分以下の水準まで下がっていることになります。
中央値でみた所得金額はさらに年間75万円ほど下回り、255万円という結果に。
所得階級別の分布でも150万~200万円未満が最多となっており、月になおすと12万5000円~16万6000円であると計算できます。
住居費、食費、水道光熱費、通信費など生活に最低限必要な支出だけでも使い果たしてしまいそうな人も多いのではないでしょうか。
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち「公的年金・恩給が収入のすべてである」とこたえた世帯が約半数ですから、公的年金がいかに私たちの老後を左右するものかが分かります。
2. 厚生年金受給額「月20万円以上と10万円未満」はどのくらいか
それでは、厚生年金の受給額を1万円ごとのレンジでみていきましょう。
本稿では、厚生労働省「令和2年後厚生年金保険・国民年金事業の概況」から国民年金(基礎年金部分)を含んだ金額を掲載します。
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
総数1610万133人のうち厚生年金の受給額が10万円未満の割合は、375万7363人で23.3%。一方、月20万円以上は259万3494人で16.1%という比率になりました。
3. 厚生年金は年収や勤続年数で決まる
ところで、どのくらいの年収だと厚生年金が10万円未満になってしまうのか気になりますよね。
日本の公的年金は2階建てで、1階部分の基礎年金(国民年金)と2階部分の報酬比例の年金をあわせて厚生年金の受給額とされます。
厚生年金の受給額を少しでも上げたいという方は、「厚生年金の加入年数をのばす」「厚生年金に加入中の年収をあげる」などの対策が必要になるでしょう。
4. 厚生年金は今後どうなる?1.3人の現役世代で1人の高齢者を支える社会に
ここまで、いまの人口構造や年金の水準をもとにお話してきました。
しかし、これからの時代を生きる私たちは「自分が老後をむかえるころの未来」をみすえておかねばなりません。
2022年3月時点で1億2510万人の日本の人口は、2065年には8808万人まで減少すると推測されています。
また、65歳以上人口の割合は増え続け、2036年には総人口の33.3%、2056年には38.4%に達するのではないかと危惧されています。
そうなると、国民の約2.6人に1人は65歳以上の高齢者です。
現役世代1.3人で1人の高齢者を支える社会がおとずれた時にいまの年金水準を保つのは難しいでしょう。
いまからでも将来の自分に仕送りができるよう、貯金・資産運用などで蓄えをつくっておく方が明るい未来に近づくのではないでしょうか。




