4. 魅力的な「繰下げ受給」のデメリットとは
年金の繰下げ受給を利用すれば、1ヵ月遅らせるごとに0.7%も受給額を増やすことができます。
もし年金月額が10万円だった場合、1年送らせると10万8400円に。最大10年遅らせることで、18万4000円にも増やすことができます。
ただし、繰下げ受給にはメリットばかりというわけではありません。
当然、繰下げ受給のメリットを享受するには長生きすることが前提となります。受給前に亡くなってしまえば、増やしたはずの年金を一切受給できない可能性もあります。
また、年下の配偶者や子どもがいる場合に受け取れる「加給年金」についても、年金を繰下げると対象外に。
さらに税金や保険料の負担が重くなることで、手取りベースではあまり増えないケースもあります。
こうしたデメリットは知った上で、検討しておきましょう。
5. ねんきん定期便には厚生年金や国民年金の情報がいっぱい
毎年送られてくるねんきん定期便には、これまで支払った厚生年金保険料や国民年金保険料、受給できる年金見込額などの情報がたくさん載っています。
去年よりも見込額が減ったという方は、働き方が変わっていないか確認しましょう。万が一変更がない場合は、何らかの漏れや誤りがある可能性もあります。年金事務所等に確認してみることが大切です。
老後を支える大切な収入源である年金について、理解を深めておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「「ねんきん定期便」の「老齢年金の見込額」(50歳以上の方)が昨年の見込額より減額されています。どうしてですか。」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)」
太田 彩子