学習院女子大学は皇族や公家の子女たちが集った華族女学校とも深く関係しています。

現代における学習院女子大学は、多くの大学に先駆けてグローバル教育を始めるなど、時代の先端をいくような学びを提供しています。

また、「ごきげんよう」という挨拶が正門で交わされるなど、独自の文化や慣習が色濃く残っているのも特徴です。

今回は学習院女子大学の学費や教育内容について見ていきましょう。

学習院女子大学の学費は平均よりもやや高めか

文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、私立大学(文科系学部)の初年度納入金の平均額は118万8991円です。

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出所:文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」

その内訳は「授業料81万5069円、入学料、22万5651円、施設設備費 14万8272円」となっています 。

一方、学習院女子大学の初年度納付金は137万3800円です。

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出典:学校法人学習院「学費について」

学習院女子大学の学部は国際文化交流学部のみ。

学科は「日本文化学科、国際コミュニケーション学科、英語コミュニケーション学科」の3学科です。いずれの学科においても初年度納付金は137万3800円になります。

また、毎年の納付金はおおよそ入学金を差し引いた金額になります。

同大学の初年度納付金は学習院大学の文学部(心理・教育学科以外)の初年度納付金と比べても少々高めです。

学習院大学の文学部(心理・教育学科以外)の初年度納付金は133万3800円と、学習院女子大学よりも4万円安くなっています。

【清く・正しく・美しく】学習院女子大学は華族女学校がルーツ

ご存じの方も多いですが、学習院は1877年に華族のために設立された学校です。

設立当初から男子だけでなく、女子にも学びの門戸が開かれており、女子も満6歳から入学が認められていました。

しかし、教育カリキュラムは男子生徒を主に対象とした内容であり、かつ女子の生徒数は男子の3分の1以下でした。

こうした状況の中、華族の子女のための学校を建てるべきだという声が高まり、1885年に開校したのが華族女学校です。

華族女学校では徳育を重んじた質素で正直を信条とする教育が行われました。

津田梅子の誘いで華族女学校の教師に就任したアリス・ベーコンが、華族女学校の生徒たちのお行儀のよさに驚いたというエピソードが残っています。

明治期、華族の子女たちは箸の使い方や姿勢、言葉遣い、習字、芸事などについて厳しい教育を受け、その地位にふさわしく振る舞うことが常に求められていたのです。

学習院女子大学は時代のニーズに合った教育を学生たちに提供している

前述のように、学習院女子大学のルーツである華族女学校は男子教育が中心であった学習院に対し、女子にも適切な教育の場を提供することを目的に創設されました。

また、1800年代半ばから後半は、跡見学校(現:跡見学園)や東京女子師範学校(現:お茶の水女子大学)などの多くの女学校が創設された時期であり、学習院もこうした時代の気運にのっていました。

学習院女子大学は、明治時代以降も時代のニーズとともに変化していきます。1900年代中頃になると、女子に対する高度な教育を求める声も高まり、学習院に女子短大が設置されることになりました。

そして、1900年代後半には、学問と真剣に向き合いたい学生には短大では期間が短いという見方が増え、四年制大学への転換が検討されるように。

そして、1998年、学習院女子大学が開学しました。

現在の学習院女子大学は国際社会で活躍できる人材や、日本文化を世界に発信できる人材の育成を目指しています。

独自のカリキュラムが充実しており、例えば香道や有職故実といった日本文化を体験的に学べる科目の他、外国語科目や情報科目も充実しています。

良妻賢母の育成から「国際社会」で活躍できる人材の育成へ

学習院女子大学について、華族とつながる歴史を持つことや現代においても「ごきげんよう」と正門であいさつを交わす学生たちの様子から、「お嬢様大学」というイメージを抱かれる方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、実情としては、他の大学と同様に実家が裕福な学生だけでなく、奨学金を借りている学生やアルバイトに励む学生も珍しくありません。

また、大学側は「学習院女子大学 学費支援給付奨学金」などの経済支援制度をいくつか用意しています。

華族女学校に通う子女たちにとって、結婚が理想のゴールでした。息子をもつ夫人は華族女学校に足を運び、授業参観のように生徒たちの様子に目を凝らし、息子の嫁候補を探したというエピソードも残っています。

しかし、時代は変化し、生まれた環境にかかわらず、誰もが平等に学べる時代になりました。また、現代社会において女性の役割は良妻賢母に限定することはできません。

女性の社会進出が唱えられている昨今、学習院女子大学の卒業生は多方面で活躍しています。

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出所:学習院女子大学「学習院女子大学 令和3(2021)年度卒業生」

たとえば、令和3年度卒業生のうち40.1%が総合職として就職しているだけでなく、SE(9.9%)や公務(2%)、教員(1.7%)といったスキルを取得できる職業や、長く働ける職業が人気を集めています。

参考資料