年収800万円世帯の家計状況
子どものいる家庭では世帯年収800万円は平均にあたることを踏まえて、次のモデル家族を設定して、家計状況をみてみましょう。
年収800万円世帯のモデル家族
- 夫(会社員:年収700万円)
- 妻(パート:年収100万円)
- 子ども2人(小学生)
年収800万円世帯の収入
まずは手取りを出してみます。
夫の所得控除を基礎控除、社会保険料控除、配偶者控除のみとして手取りを出すと約542万円になります。
妻の場合は年収103万円以下なので、所得税がかからず、夫の扶養内になるので手取りはそのまま100万円になります。
世帯の手取り額は642万円となります。月額にすると53万5000円です。
これに、子ども2人の児童手当2万円を加えると、モデル家族の1ヵ月の可処分所得は55万5000円になります。
年収800万円世帯の支出
生活費は総務省「家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 2021年」から、夫婦共働き<有業者は夫婦のみのうち核家族>のうち夫婦と未婚の子供2人の世帯の金額を使用します。
この家計調査の住居費には住宅ローンの返済額は含みません。また、持ち家率が85.1%のデータなので、家賃としてみることもできません。
そこで、年収800万円世帯のリアルに近づけるために、住宅ローンを利用してマンションを購入したケースを想定してみたいと思います。
国土交通省の「令和3年度 住宅市場 動向調査報告書」から住宅ローンの年間の返済額を参照します。
分譲マンションを取得した世帯は150万4000円、分譲戸建住宅は126万円、中古マンションは101万3000円となっています。
また、世帯年収に占める返済負担率は住居の種類によって10.1%~19.8%となっています。
分譲マンションを取得したとすると、返済負担率は18.1%なので、年収800万円では144万8000円になります。月にすると約12万円になります。
先ほどの消費支出に住宅ローンの返済額を加えると支出は約46万円になります。
年収800万円世帯の収支
1カ月の収入から支出を引くと9万5000円となります。貯蓄にまわせる金額が10万円に満たない結果となりました。
ここで用いた生活費は毎月継続的に支出する金額であり、臨時出費は含まれていません。
また、教育費は子どもが大きくなるにつれて出費が膨らんでいくものです。年収800万円世帯の家計状況は余裕があるとは言い難いでしょう。