住民税とは、「個人住民税」とも言われ、住んでいる場所によっては「都道府県民税」と「市区町村住民税」を合算した額になります。
そして、前年の所得金額が一定額以下の場合、住民税が非課税になる措置が設けられています。
住民税が非課税になる世帯とは、どのくらいの年収なのでしょうか。今回は、住民税の仕組みも合わせ、住民税が非課税になる条件について解説します。
住民税とは?
そもそも、私たちが納めている「住民税」とは、どのような税金なのでしょうか。
住民税とは、私たちが住んでいる地域を管轄する自治体が徴収するもので、徴収された住民税は自治体内の公共事業や行政サービスを行うための財源として利用されています。
具体的には、水道や道路といったインフラの整備や、ゴミの収集、さらには学校教育や子育て支援など、生活に密接したサービスを行う目的で利用されるものです。
住民税が課税される仕組み
では、住民税はどのような仕組みで計算し、課税されているのでしょうか。
住民税課税の仕組み:均等割
所得金額に関係なく、誰に対しても一定の額が課税されます。
「都道府県民税」の均等割額は1500円、そして「市区町村住民税」の均等割額は3500円となっており、合計して5000円が課税されることになっています。
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出所:財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
自治体によって違いはあるものの、現在日本のほとんどの自治体がこの額を採用しています。
住民税課税の仕組み:所得割
均等割と異なり、所得に応じた住民税額が課税される仕組みを所得割といいます。
所得割額の求め方は、以下のとおりです。
1.前年の収入金額から、収入にかかる各種控除を差し引く(必要であれば、損益通算も
行う)。→合計所得金額が求められる(損失の繰越控除がある場合は適用する)
2.1で求めた総所得金額から、納税者それぞれに該当する所得控除額を差し引く(所得税の所得控除とは控除額が異なる点に注意)。
3.2で求めた課税所得金額に税率を乗じて所得割額を求める。
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出所:東京都主税局「個人住民税」
ちなみに、所得割額の税率は一律10%です。
この10%の内訳は、都道府県民税が6%、市区町村住民税が4%です。さらに、税額控除がある場合は、最終的に税額控除額を差し引いた金額が所得割額になります。
また、住民税として徴収されるものに、預貯金の利子や上場株式の配当、株式などの譲渡益に課税される「利子割」や「配当割」、「株式等譲渡所得割」もありますが、これらは都道府県民税のみの扱いとなる点も覚えておきましょう。
住民税が非課税となる条件とは
住民税が非課税になるパターンには、所得割と均等割共に非課税になるケースと、所得割のみが非課税になるケースがあります。後者の場合、均等割額の5000円は納めなければなりません。
そして住民税非課税世帯とは、住民税の所得割そして均等割の両方が非課税になるケースをいいます。
さらにいえば、住民税非課税世帯といわれているとおり、その世帯全員が非課税の要件に該当しなければ住民税非課税世帯とはなりません。
そのため、住民税非課税世帯となる要件も、「単身者」と「同一生計配偶者もしくは扶養親族がいる場合」で異なります。
また、住民税非課税世帯となる条件は、自治体によって違いがあります。今回は東京都を例に紹介します。
【住民税】所得割が非課税になる条件とは?
所得割が非課税になる条件とは、前年中の総所得金額が以下の金額を下回るケースです。
(単身者の場合)
- 45万円以下
(同一生計配偶者もしくは扶養親族がいる場合)
- 35万円✕(本人や同一生計配偶者もしくは扶養親族の合計人数)+42万円
つまり、単身者で給与収入者であれば、年収が100万円以下であれば、所得割は非課税になります(給与収入100万円-給与所得控除 55万円=45万円)。
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出所:国税庁「No.1410 給与所得控除」
世帯主と専業主婦、子ども1人の3人世帯であれば、所得額が147万円以下、つまり給与収入が約221万円以下の場合に所得割が非課税になります(給与収入221万円-給与所得74万3000円=146万7000円)。
【住民税】所得割と均等割が非課税になる条件とは?
所得割と均等割が非課税になる条件は、単身者とそれ以外のケースで以下のとおり異なります。
(単身者)
- 45万円以下
つまり、単身者の場合は所得割が非課税になる条件である、年収100万円以下(給与所得者の場合)であれば、住民税非課税世帯に該当します。
(同一生計配偶者もしくは扶養親族がいる場合)
- 35万円✕(本人や同一生計配偶者もしくは扶養親族の合計人数)+31万円
世帯主と専業主婦、子ども1人の3人世帯であれば、所得額が136万円以下、つまり給与収入が約205万円以下の場合に所得割が非課税になります(給与収入205万円-給与所得69万5000円=135万5000円)。
さらに、以下に該当する人も、所得割そして均等割ともに非課税になります。
- 生活保護法による生活扶助を受けている人
- 障害者や未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の人(給与所得者だと年収204万4000円未満)
住民税非課税世帯の所得条件は厳しい
住民税非課税世帯に該当するには、所得条件が決められた金額以下である必要があり、その額は世帯構成によって異なるものの、かなり厳しいことがお分かりいただけたと思います。
ただ、所得控除などを調整することで住民税額を少なくすることは可能です。ふるさと納税やiDeCoの活用がその代表例です。
まだふるさと納税やiDeCoを利用していない人は、ぜひ利用を考えてみましょう。
参考資料
新井 智美
