左団扇で暮らすことを期待するのは無理がある
年金の支払い開始は原則65歳からです。60歳になる年度で退職した場合、再雇用や再就職をしない場合は65歳まで退職金で生活費を捻出することになります。60歳で退職してすぐに受け取ることも可能ですが、トータルの金額が減るため注意が必要です。
さらに、国家公務員の定年退職の見直しの影響で教員の定年退職改革も行われます。65歳定年制が2023年度から段階的に導入され、年金支給までのタイムラグが発生しにくくなります。
変革期にある教員の定年退職の時期ですが、長期的な視点から給料体制や退職金をみると、公務員の安定性が十分に伝わってきます。景気が好転しにくい中、働き方改革が進み労働環境が改善していけば、教員を目指す若い世代が増加する可能性を秘めています。
また、現役時代は浪費などの贅沢をせず教員として真面目に働いていれば経済面ではゆとりある生活を送ることができます。しかし、受け取る年金額を考えると退職した後は生活水準を同程度に維持することは難しいものがあります。
退職金を取り崩す生活は、先々のことを考えると簡単にできません。公務員は副業は禁じられていますが、 安定している職業である教員として働いていても、若いうちから株式投資や不動産投資の勉強をして資産運用をして老後に備えることも必要です。
参考資料
- 文部科学省「令和4年度(令和3年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント」
- 文部科学省「学校教員統計調査」(小学校、中学校、高校の『都道府県別 本務教員の平均勤務年数 平均週教科等担任授業時数 平均給料月額』)
- 人事院「給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント」
- 総務省「令和3年4月1日地方公務員給与実態調査結果」
中山 まち子