4. 400万円以下の不動産の仲介手数料の上限額改正について

2018年の「低廉な空き家等の売買取引における媒介報酬額の特例」によって、不動産の仲介手数料の上限額が改正されました。

この特例により、先ほど紹介した計算方法で求められる金額以上の仲介手数料の支払いが認められるようになったのです。

具体的には、400万円以下の価格が安い物件や空き家の建物取引に対して、仲介手数料を最大「18万円+消費税」とするという内容になります。

400万円以下であればどの値段の物件でも適用されます。また、特例による仲介手数料を支払うのは売主のみです。

つまり、以下のケースや立場では特例が適用されません。

特例が適用されないケース・立場

  • 400万円以上の建物
  • 土地
  • 買主

特例による仲介手数料に関しては、事前に売主と仲介取引事業者の間で合意する必要があるので、注意しましょう。

4.1 上限額改正の要因

近年増え続けている空き家問題が起因となって、特例が定められたとされています。

2018年に行われた総務省の調査によると全国の空き家は846万戸で、空き家率は13.6%となりました。

2013年に比べて3.2%増えて過去最高の数字となっており、今後も増加が予想されています。

ほとんどの空き家は価格が安く、仲介手数料が多く得られないために不動産会社が取引をしたがらないケースが少なくありませんでした。

そこで少しでも不動産取引を行ってもらおうと、特例が定められたのです。

4.2 上限額改正が空き家問題にもたらすであろう影響

空き家を売りたい側としても、「こんな価格の建物では売れないだろう」とためらっていた物件の仲介をしてもらえる仲介取引事業者が見つかるチャンスです。

また中古の不動産購入を考えている場合にも、これまで市場には出回らなかった物件が増え取引が活性化することが予想されます。

以前に比べ手数料は増えるかも知れませんが、金額が安めの中古物件や空き家を持つ方、購入したい方にとってチャンスと言えるかも知れません。

5. 賃貸契約や不動産売買には、仲介手数料の理解が重要

本記事を読むことで、宅建業法における賃貸物件や不動産売買の仲介手数料についてご理解いただけたのではないでしょうか?

賃貸の契約や不動産の売買を行う際には、仲介手数料についてしっかりと理解をしておくことが重要です。

不動産の売買を考えている方や物件の賃貸を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

※この記事はLIFULL HOME'S 不動産投資コラムより提供を受けたものです。

参照記事

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部