3. 法律に基づいた仲介手数料の計算方法

ここまで賃貸における仲介手数料について見てきましたが、不動産を売買する際に仲介取引事業者を利用した場合にも仲介手数料が発生します。

そこでここからは、法律に基づいた仲介手数料の計算について説明していきます。

不動産売買における仲介手数料は、売買の金額が高くなるほど上限額が上がり、売買の金額が安いほど上限額が下がる仕組みです。

具体的には以下の通りになります。

不動産売買における仲介手数料の上限額の計算方法

  • 200万円以下:売買価格×0.05+消費税
  • 200万円超~400万円以下:(売買価格×0.04+2万円)+消費税
  • 400万円超:(売買価格×0.03+6万円)+消費税

仲介は課税の対象となるので、仲介手数料には消費税がかかります。2022年1月現在、仲介手数料の税率は10%です。

またあくまでも上限額なので、賃貸と同様安い分には何も問題ありません。

3.1 仲介手数料はいつ発生する

不動産売買において仲介手数料が発生するのは、契約が成立した後です。

あくまでも成功してから支払われる報酬なので、不動産売買を依頼する契約の段階では支払う必要はありません。

なお一般的には、契約書の交付後と決済後にわけて支払うケースが多くなっています。

3.2 片手仲介と両手仲介

仲介手数料について考えるときに注意したいのが、利用する不動産会社が両手仲介か片手仲介かという点です。

片手仲介は、買主と売主が双方に別々の仲介取引事業者を利用して取引を行う方法で、公平な取引が行われやすいことが最大のメリットです。

片手仲介における仲介手数料には、それぞれの仲介取引事業者に先ほどの上限額が適用されます。

一方で両手仲介は、買主・売主両方の仲介を同じ不動産会社が行う方法です。

1つの仲介取引事業者のみとのやりとりになるのでスムーズに交渉が進むのがメリットです。

また仲介取引事業者は買主と売主両方から仲介手数料を受け取れ、片手仲介より利益を得ることができるため、仲介手数料が安くなる可能性が高くなります。

しかし高く売りたい売主と安く買い取りたい買主、両方に平等な利益をもたらすことは難しいため、公平性に欠けるとされます。

公平な取引に重点を置きたい場合には片手仲介を、仲介手数料を少しでも抑えてスムーズな取引がしたい場合には両手仲介を選ぶとよいでしょう。