2. 年金「増やさない派」納得の意見とは

繰下げ受給にはデメリットが存在します。日本年金機構では8個の注意点を挙げていますが、中でも重要な2項目をご紹介します。

2.1 加給年金が受け取れない

加給年金とは年下の妻や子どもがいる場合に支給される手当てで、「扶養手当」のようなイメージです。

一定の要件を満たす場合、1年あたり22万3800円(生年月日に応じて加算あり)が年金に加算されるのです。

例えば5歳年下の妻がいる場合、5年分で総額約112万円もらえるはずが、繰下げ受給を利用することで加給年金を受け取れなくなるのです。せっかく年金額を増やしても、意味がないと感じる方もいるでしょう。家族の年齢によっては慎重に検討すべきポイントです。

2.2 引かれるお金も増える

年金という所得に対しても税金はかかります。通常は年金天引きという形で所得税や住民税を納めるため、年金額が多くなれば引かれるお金も増えるでしょう。つまり、思ったほど手取りが増えないことになります。

さらに健康保険料や介護保険料も、原則年金からの天引きです。一部負担割合が高くなることもあるので、慎重に検討したいところです。