2. 年金「増やさない派」納得の意見とは
繰下げ受給にはデメリットが存在します。日本年金機構では8個の注意点を挙げていますが、中でも重要な2項目をご紹介します。
2.1 加給年金が受け取れない
加給年金とは年下の妻や子どもがいる場合に支給される手当てで、「扶養手当」のようなイメージです。
一定の要件を満たす場合、1年あたり22万3800円(生年月日に応じて加算あり)が年金に加算されるのです。
例えば5歳年下の妻がいる場合、5年分で総額約112万円もらえるはずが、繰下げ受給を利用することで加給年金を受け取れなくなるのです。せっかく年金額を増やしても、意味がないと感じる方もいるでしょう。家族の年齢によっては慎重に検討すべきポイントです。
2.2 引かれるお金も増える
年金という所得に対しても税金はかかります。通常は年金天引きという形で所得税や住民税を納めるため、年金額が多くなれば引かれるお金も増えるでしょう。つまり、思ったほど手取りが増えないことになります。
さらに健康保険料や介護保険料も、原則年金からの天引きです。一部負担割合が高くなることもあるので、慎重に検討したいところです。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。京都府出身、滋賀県在住。(2026年6月26日更新)