学校の先生はサービス残業が当たり前

しかし、部活動に比べると停滞しているのが放課後の勤務、いわゆる残業に関する問題です。

例えば、小学校では運動会や学習発表会、校外学習などの準備の他にも、中学校や高校に比べて頻繁に行われる単元テストの採点もやらなければいけません。

教員の勤務時間は地方公務員法第58条が適用され、休憩時間を除き「労働時間は週40時間を超えない」ことが定められています。民間企業の場合、出社時間は職場により異なりますが、概ね8時半から9時です。

一方、学校の登校時間は朝の8時から8時半くらいが多く、それに伴い教員の出勤時間は7時半から8時がボリュームゾーンになります。

職場に来る時間は早いものの「週40時間、1日8時間」で収めるには、子ども達が下校してから夕方の5時の間に全ての業務を終わらせて帰宅する必要があります。

つまり、1時間から1時間半の間に仕事を片づけるという実現不可能に近い労働環境です。そして、問題を複雑化しているのが残業代に関する問題です。

1971(昭和46)年に制定された「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(略称・給特法)により、残業代は残業時間の長い短いに関係なく「教職調整額」として給料の4%分が支払われています。

ただし、以下の4つの業務は「超勤4項目」として残業代の支払い対象になっています。

  • 実習
  • 学校行事
  • 職員会議
  • 非常災害

このように、残業扱いとなる業務は極めて限定的です。

つまり、教員は決まっている給与の中に残業代が含まれているという大前提のもとで職務に当たっているのです。

公立学校の教員が学校で夜遅くまでテストの採点をしたり、授業の準備や配布するプリントを印刷していても、それは完全なるサービス残業になります。