人生100年時代と言われる昨今。最近では、長生きすることが「リスク」と表現され、「老後資金」が不足してしまうのではないかと、漠然とした不安を抱えながら生活をしているという現役世代は多いのではないでしょうか。

2019年に話題となった「老後2000万円問題」をきっかけに、「貯蓄」や「投資」に興味を持ったものの結局何も始められていないという人が多いかもしれません。

そんな中、先日金融庁が、岸田政権が提唱する「資産所得倍増プラン」の実現に向け全世代を対象とした金融経済教育に国を挙げて取り組み、「貯蓄から投資へ」の流れを後押しする重点施策「金融行政方針」を公表しました。

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出所:金融庁「2022事務年度 金融行政方針」

出所:金融庁「2022事務年度 金融行政方針」

ますます公的は年金をあてにせず、自らの力で老後の資金を準備することが必須な状態になったと読み変えられるようにも感じられるニュースですが、実際のところ60歳以上で、投資を活用し「配当や家賃」といった財産からの収入、いわゆる「不労所得」がある人はどのくらいいるのでしょうか。

今回は内閣府の調査をもとに60歳以上で不労所得を月10万円以上稼ぐ人の割合を確認しながら、老後へのお金の備え方についてお話していきます。

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1. 不労所得とは

「不労所得」とは、読んで字の如く、働かずして得られる収入のことを言います。

たとえば、株の配当や預貯金の利息、土地や住宅の賃貸料といった「財産所得」と呼ばれるものです。

老後の継続的な収入源の確保を目的として、株式や不動産への投資を行う人はこの「不労所得」を受け取ることになります。

2. 「不労所得」60歳以上で配当・家賃などがある人はどのくらいか

内閣府の「令和元年(2019年)度高齢者の経済生活に関する調査結果 」をみていきましょう。60歳以上の男女を対象に、「収入の種類」に関する設問があります。

(※)当てはまるものすべてに回答
(※)配偶者と一緒に暮らす場合は、回答者と配偶者2人の状況を回答

回答者全体(N=1755)

  • 仕事による収入・・・41.0%
  • 公的年金、恩給・・・87.3%
  • 公的年金、恩給以外の社会保障給付金(生活保護等)・・・1.1%
  • 企業年金、個人年金等・・・16.5%
  • 財産からの収入(利子、配当金、家賃、地代等)・・・8.4%
  • 子などからの仕送り・援助・・・2.2%
  • その他・・・0.7%
  • 収入はない・・・0.9%
  • 不明・無回答・・・0.1%

「財産からの収入」、つまり利子や配当金や家賃などの不労所得があるのは、回答者全体の1割以下となりました。

3. 「不労所得がある人」はどんな仕事をしているのか

次は「財産からの収入」がある人の割合を就労状況別に見ていきます。

3.1 収入のある仕事をしている割合

  • 自営業主・個人事業主・フリーランス・・・13.4%
  • 正規の社員・職員・従業員・・・3.3%
  • パート・アルバイト・・・6.7%
  • 労働者派遣事業所の派遣社員・・・―
  • 契約社員・嘱託社員・・・2.9%
  • 会社または団体の役員・・・21.6%
  • その他・・―
  • 収入のある仕事はしていない・・・8.3%

多いのは、「会社または団体の役員」(21.6%)、ついで「自営業・個人事業主・フリーランス」(13.4%)となりました。

「収入のある仕事はしていない」(8.3%)であることをふまえると、不労所得があるとは言え、何かしらの仕事はしながら不労所得を得ている人が9割以上という結果でした。

4. 「不労所得月10万円」を得る方法と老後への備え方

それでは、どのような資産に投資をすれば、不労所得を得られるのでしょうか。

  • 株式
  • 債券
  • 投資信託
  • 収益不動産

こうした資産は「不労所得」とも呼ばれます。これらの資産を運用するには、知識だけでなくある程度まとまった資金が必要となるのも事実です。

「不労所得」だけで老後の生活をすべて賄うことは難しいと考えるのが賢明な判断と言えるかもしれません。

しかし、不足するだろう老後の生活資金の足しとして、コツコツと不労所得を今から貯めていくことができれば将来の漠然とした不安も払拭できるかもしれません。

興味があって投資を始めてみようと考えている方は、予算や自分のリスク許容度にあったものを選ぶことを心がけ、安心して長く継続できるものを選択するようにしてください。

投資は時間が味方をします。短期ではなく、長期目線で資産運用を計画することで、リスクの分散にも繋がるでしょう。

この機会に、今から資産運用の初めの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

吉田 奈都子