103万円と150万円は税金の壁

「103万円の壁」と「150万円の壁」は、所得税に関する壁です。それぞれについて詳しく説明します。

税金の壁1:「103万円の壁」

年収が103万円以内であれば、所得税はかかりません。年収103万円を超えると、超えた所得に対して所得税(5%~45%)、住民税(約10%)がかかります。103万円の内訳は以下のとおりです。

  • 103万円=55万円(給与所得控除※1)+48万円(基礎控除※2)

※1 給与所得控除とは、収入ではなく所得を計算するとき、給与等の収入金額から、個人事業主などの経費の役割となる給与所得控除額を差し引いて算出します。給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて違いがあります。

※2 基礎控除とは、所得税の額を算出する際、所得から一定の金額を差し引く所得控除です。

所得控除は15種類あり、そのうちの1つが配偶者控除です。配偶者控除とは、納税者(夫など)に妻がいて、年収が103万円以下であれば、配偶者控除が受けられます。

配偶者控除を受けることができれば、夫の負担する所得税が安くなります。

103万円の壁以下に年収を抑えることで、自分自身の所得税がかからず、夫の所得税も安くできるという効果があります。

税金の壁2:「150万円の壁」

先述した15種類の所得控除には、配偶者特別控除というものもあります。

150万円の壁とは、夫が配偶者特別控除の満額38万円を受けるための、妻の年収条件となります。

配偶者特別控除を満額受けるには、夫の所得が900万円以下(年収1095万円)、妻の年収が150万円以下となる必要があります。夫も妻もそれぞれの上限を超えると、段階的に控除額が減っていく仕組みとなっています。