物価上昇が続き、毎月の生活費のやりくりに苦戦している世帯は少なくないでしょう。
こうした状況下、実は日本の富裕層世帯は増加傾向にあります。
ここでいう「富裕層」は、住宅ローンなどの負債を除く純金融資産が1億円以上の世帯を指します。
「もともとお金持ちの家系」というケースもありますが、今回注目したいのは「富裕層世帯が増えている」ということ。
これまで「富裕層」にカテゴライズされなかった世帯が、資産を増やし富裕層になっているのです。
本記事では、日本に富裕層がどのくらいいるのかを確認していきます。また、日本で富裕層が増えている背景には何があるのかも見ていきましょう。
記事の後半では、現役世代が富裕層を目指すための「3つ」のポイントもご紹介します。
1. 日本には「富裕層(資産1億円以上~5億円未満)」がどのくらいいる?
野村総合研究所が発表したニュースリリースでは、純金融資産に基づいて、マス層(3000万円未満)から超富裕層(5億円以上)までの世帯を分類し、それぞれの世帯数や資産状況が示されています。
※純金融資産保有額とは、世帯が保有する金融資産(預貯金、株式、債券、投資信託、一時払いの生命保険・年金保険など)の総額から、負債(不動産購入時の借入金など)を差し引いた金額を指します。
1.1 富裕層の割合(保有資産規模別/世帯数)をチェック
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円
「富裕層」と「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯に達し、全世帯の約3%を占めています。
また、富裕層予備軍といえる「準富裕層」は403万9000世帯で、いずれも増加傾向にあります。
これらの世帯に資産が集中していることから、富裕層の消費や投資行動が日本経済に与える影響は決して小さくないと考えられます。