2. 投資詐欺の手口「ポンジ・スキーム」とは?

先述の通り、警察庁生活安全局「令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について」のデータにおいて、投資詐欺関連の相談内訳で最も多かったのが「集団投資スキーム」。

この集団投資スキームを利用した形で詐欺を行う主な手口に「ポンジ・スキーム」が挙げられます。

実は投資詐欺の多くが、この「ポンジ・スキーム」だと言われていることをご存じですか?

「ポンジ・スキーム」とはどのようなものなのか、ぜひ理解しておきましょう。

2.1 「ポンジ・スキーム」とは?

「ポンジ・スキーム」とは「出資してくれたら配当金を支払う」といった口実で資金を集めるものの、実際に何か資産や事業に運用しているわけではなく、新しい出資者から得たお金を配当金として支払っているだけの詐欺的商法のことを指します。

つまり自転車操業のような状態であるため、いずれは破綻することが決まっているわけです。

しかし出資者としては、しばらくの間は約束通り配当金が支払われるため、詐欺だとは気づきません。いずれ配当金が支払われなくなり詐欺を疑う頃には、首謀者が雲隠れしていたり資産が隠蔽されていたりするため、検挙や被害額の回復が難しい状態になってしまうわけです。

これが「ポンジ・スキーム」のよくあるパターンといえるでしょう。

「ポンジ・スキーム」は暗号資産(仮想通貨)の取引で多く見られますが、物品やお金を対象とする取引もありますので注意が必要です。

2.2 「ポンジ・スキーム」でよくみられる特徴

誘われた投資話が以下のようなポイントに当てはまる場合は注意しましょう。

  • 高配当、高利率をうたう
  • 毎月の配当金を約束する
  • 元本保証をうたう
  • 高額な紹介料制度がある

現実離れした高利回りや「必ず配当金を出す」「元本を保証する」などのうまい話には注意しなければなりません。投資に「絶対」はないことをよく覚えておきましょう。

また「ポンジ・スキーム」には、他の人を勧誘することで高額な紹介料がもらえる制度があるケースが多いです。この制度にのって他者を勧誘してしまうと、自分も犯罪の片棒を担ぐことになりかねません。

これらの特徴が見られる投資に勧誘されているときは、一度立ち止まって疑うようにしましょう。