1. 【2021年】警察庁の投資詐欺関連データを検証
まずは冒頭でも紹介した警察庁の投資詐欺関連最新データを分析してみましょう。
1.1 投資関連事犯の検挙状況は過去10年間で最大に……!
最初は警察庁がデータとしてまとめている「利殖勧誘事犯」の検挙事件数です。
「利殖勧誘事犯」とは、
- 未公開株
- 公社債
- 集団投資スキーム(ファンド)
- デリバティブ取引(商品先物、FX、暗号資産、バイナリーオプション、CO2排出権など事業投資)
- 勧誘時に元本保証をうたったその他の投資商品
などを指します。
つまり「利殖勧誘事犯」に関するデータを見ることで、投資関連詐欺の状況が見えてくるといえるでしょう。
2021年の投資詐欺関連の検挙事件数は46件、過去10年間で最も多い件数となりました。
1.2 投資関連検挙事件の内訳
次に、投資関連詐欺で検挙された事犯における投資商品の内訳を見てみましょう。
2020年から2021年にかけて、検挙人数・被害額ともに顕著に増えているのが「集団投資スキーム」です。
集団投資スキームとは、多くの投資家から集めた資金で事業や資産を運用し、持ち分に応じてその収益を出資者に分配する仕組みのこと。投資信託やファンドへの投資が該当します。
本来このスキームを使う運用事業者は金融商品取引業の登録が義務付けられていますが、詐欺を行う事業者の多くは登録を受けていない非正規の金融機関であるケースが多いです。
そして投資詐欺の多くが、この集団投資スキームを利用したものだと言われています。後ほど、このスキームを利用した投資詐欺の手口「ポンジ・スキーム」について解説しましょう。