1.1 債券投資

債券には、国が発行する「国債」、地方自治体が発行する「地方債」、民間企業が発行する「社債」、外国で発行される「外国債」などがあります。

債券投資は、あらかじめ決まった利率で定期的に利子を受け取れますので、債券購入後、償還まで何もしなくても、一定の不労所得が得られます。

国債は、最低金利が年率0.05%と決まっていますので、預貯金で保有しているよりは利子がつきます。

社債の利率は、国債の利回りをベースに企業が個々に決めます。信用度の高い企業の社債の金利は低めで、信用度の低い企業の社債は金利が高く設定されているのが一般的です。

外国債は、日本の債券に比べ高い利回りが特徴で、利子のほかに、為替変動による差益を得られる可能性があります。

一方、社債や外国債は、デフォルト(債務不履行)のリスクがあります。
金利の高い債券は、デフォルトリスクも大きくなるのが一般的です。

また、債券は償還日まで保有していれば、元本割れはありませんが、債券を途中で売却し換金すると、損失が出る可能性があります。

外国債は、外貨建て通貨で元本割れがなくても、為替の変動により為替差損が出る可能性があります。

まとめると、債券投資は、収益性を重視すれば、安全性が低くなり、反対に安全性が高ければ、収益性が低いなど、トレードオフの関係です。

投資ですのでリスクはゼロではありませんが、債券投資は、ほかの金融投資商品と比較すれば安全性は高い商品です。

1.2 投資信託

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を一つのファンドにし、運用の専門家であるファンドマネージャーが、株式や債券など国内外の運用先に投資をし収益を得るものです。

購入後に手間はほとんどかからないため、初めての投資にも向いています。

投資信託は、株式投資のように売却益を狙った投資ではなく、定期的に支払われる分配金目的で長期保有している方も多く、不労所得を得たい方にも向いています。

投資信託の分配金は、投資運用により発生した利益を、投資額に応じて投資家へ年に1回や2回など、定期的に還元するものです。複数の投資信託を持っていれば、複数から不労所得が得られます。

ただし、気を付けたいのは、運用成績によっては、分配金は元本の一部を取り崩して支払われる場合があるということです。その場合、投資信託の元本(基準価額)が下がるため、運用資産が目減りすることになります。

投資資産を減らしてしまうリスクを低減するためには、分散投資が効果的です。

そもそも、投資信託は複数の株や債券の詰め合わせですので、既に分散投資となっていますが、それに加え、複数の投資信託を選ぶこと、ひとつの地域に投資しないこと、そして一度に買わないことによる時間の分散が大切です。この工夫でさらにリスクが低減します。

なお、分配金は受け取らずに個別元本に組み入れて再投資することも可能です。再投資をすると複利効果により元本が膨らみますので、投資信託を売却したときの受取額は分配金を受け取った場合より増えます。