1. 「公務員の年金」は厚生年金に統合されていた

かつて、公務員には3階建ての共済年金という独自の年金制度がありました。

1.1 公務員の年金制度(2015年以前)

出所:国家公務員共済組合連合会「共済年金は厚生年金に統一されます」

  • 1階部分(老齢基礎年金):日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入する年金
  • 2階部分(退職共済年金):会社員の場合は厚生年金
  • 3階部分(職域部分):会社員の場合は企業年金

2階部分には「退職共済年金」があり、さらに3階部分には職域部分として手厚い年金があったのです。

1.2 公務員の年金制度(2015年以降)

しかし、2015年(平成27年)10月に共済年金は厚生年金に統合されています。これにより、今は公務員も会社員と同じ「厚生年金」に加入していることとなります。

出所:国家公務員共済組合連合会「共済年金は厚生年金に統一されます」

この改正で2階部分が会社員とともに厚生年金になったほか、3階の職域部分は廃止されました。その代わり、「年金払い退職給付」が新設されています。

また2018年には、保険料の料率も厚生年金の保険料率と同じ18.3%に統一されています。

現在は、会社員も公務員もまったく同じ年金制度に加入しているのです。

ただし、2015年(平成27年)10月以前に共済年金に加入していた公務員は、それまで納めた保険料に応じた年金が受け取れます。それ以降に公務員になった人に比べると、まだ優遇された年金を受給している方がいるのも事実です。