私達が毎月納めている年金保険料。厳密には積み立てているわけではありませんが、いずれは年金を受給することになります。障害年金や遺族年金もありますが、身近に感じるのは原則65歳から受給する老齢年金でしょう。
なかでも老齢厚生年金は、公務員や会社員が老齢基礎年金に上乗せして受給できる年金のため、一般的に手厚いと言われています。
「生活の柱になるのだから、月20万円くらいは貰えるだろう」と考える人もいるかもしれませんね。
しかし実際には、年金を20万円以上貰える人はそこまで多くないのです。
厚生労働省の最新の資料から、厚生年金を「月20万円超」と「月10万円未満」受給する人はどちらが多いのか、見ていきましょう。
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1. 厚生年金みんなのリアルな「平均受給額」はいくらか
では早速、厚生労働省年金局が公表する「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」より、男女別の受給権者数を確認しましょう。
1.1 厚生年金〈男子〉平均年金月額:16万4742円
- 1万円未満:7万2507人
- 1万円以上~2万円未満:1万2071人
- 2万円以上~3万円未満:5395人
- 3万円以上~4万円未満:1万170人
- 4万円以上~5万円未満:3万714人
- 5万円以上~6万円未満:6万7421人
- 6万円以上~7万円未満:16万3063人
- 7万円以上~8万円未満:24万4810人
- 8万円以上~9万円未満:24万2657人
- 9万円以上~10万円未満:27万3243人
- 10万円以上~11万円未満:35万350人
- 11万円以上~12万円未満:43万8383人
- 12万円以上~13万円未満:51万8659人
- 13万円以上~14万円未満:60万8992人
- 14万円以上~15万円未満:70万4371人
- 15万円以上~16万円未満:79万3583人
- 16万円以上~17万円未満:88万4219人
- 17万円以上~18万円未満:94万8543人
- 18万円以上~19万円未満:94万2288人
- 19万円以上~20万円未満:87万9047人
- 20万円以上~21万円未満:75万7129人
- 21万円以上~22万円未満:59万345人
- 22万円以上~23万円未満:41万4195人
- 23万円以上~24万円未満:28万2665人
- 24万円以上~25万円未満:19万63人
- 25万円以上~26万円未満:12万1426人
- 26万円以上~27万円未満:7万5194人
- 27万円以上~28万円未満:4万4547人
- 28万円以上~29万円未満:2万2741人
- 29万円以上~30万円未満:1万807人
- 30万円以上~:1万6346人
1.2 厚生年金〈女子〉平均年金月額:10万3159円
- 1万円未満:2万8004人
- 1万円以上~2万円未満:6884人
- 2万円以上~3万円未満:6万1267人
- 3万円以上~4万円未満:10万9541人
- 4万円以上~5万円未満:9万4941人
- 5万円以上~6万円未満:10万3206人
- 6万円以上~7万円未満:23万8112人
- 7万円以上~8万円未満:44万9205人
- 8万円以上~9万円未満:69万2135人
- 9万円以上~10万円未満:85万2017人
- 10万円以上~11万円未満:76万8808人
- 11万円以上~12万円未満:57万9740人
- 12万円以上~13万円未満:40万7435人
- 13万円以上~14万円未満:28万8035人
- 14万円以上~15万円未満:20万8976人
- 15万円以上~16万円未満:15万2367人
- 16万円以上~17万円未満:10万9888人
- 17万円以上~18万円未満:7万5929人
- 18万円以上~19万円未満:5万1905人
- 19万円以上~20万円未満:3万7458人
- 20万円以上~21万円未満:2万4850人
- 21万円以上~22万円未満:1万6796人
- 22万円以上~23万円未満:1万976人
- 23万円以上~24万円未満:6934人
- 24万円以上~25万円未満:3951人
- 25万円以上~26万円未満:2188人
- 26万円以上~27万円未満:1098人
- 27万円以上~28万円未満:516人
- 28万円以上~29万円未満:208人
- 29万円以上~30万円未満:144人
- 30万円以上~:375人
※厚生年金保険(第1号)の月額には老齢基礎年金月額が含まれます。
男女ともに受給権者数のバラツキが大きいことがわかります。これは、厚生年金の金額の決まり方に要因があります。
厚生年金は収入に応じた保険料を納めるため、加入月数や収入によって受給額に個人差が生じやすいのです。
さらに男女別に見ることで、その差も歴然とわかりますね。男性のボリュームゾーンは17万円以上~19万円未満、女性は9万円以上~11万円未満となっています。
2. 厚生年金「月20万円超」と「10万円未満」の割合は男女で違う
ここまでの内容をもとに、改めて厚生年金の受給額が「月20万円超」と「10万円未満」の割合をまとめてみましょう。
2.1 厚生年金が月平均20万円超の人
- 男性:約23.6%
- 女性:約1.26%
2.2 厚生年金が月平均10万円未満の人
- 男性:約10.5%
- 女性:約48.9%
男性は月20万円以上貰っている人のほうが多く、およそ4人に1人となりました。
一方で女性は10万円未満のほうが多く、約半数という多さでした。
厚生年金と一口に言っても、男女でこれだけの違いが見られます。今のシニアでは夫に扶養される妻が多かったため、これほど顕著に差が表れているのでしょう。
「厚生年金は手厚い」と思っている方は、リアルな受給額を知ると青ざめてしまうものです。特に年金額が少ない女性は、公的年金以外での対策が重要となるでしょう。
3. 厚生年金の受給額を左右する「標準報酬月額」とは
厚生年金の保険料は、標準報酬月額によって決まります。
「報酬月額」とは、会社から支給される「基本給、役付手当、通勤手当、残業手当などの各種手当を加えた1ヵ月の総支給額」(臨時に支払われるものや3カ月を超える期間ごとに受ける賞与等を除いたもの)のこと。
「標準報酬月額」とは、報酬月額を保険料額表の1等級(8万8千円)~32等級(65万円)に分け、該当する金額のことをいいます。
ちなみに、2020年度の平均は31万2838円。男性は35万4921円、女性は24万6025円でした。
正社員以外の短時間労働者なども、厚生年金の加入対象です。同資料によると、短時間労働者の平均は14万6131円(男性15万8834円、女性14万1572円)でした。
男女の差や正規雇用・非正規雇用の差がある限り、厚生年金受給額の格差は今後も続いていくことが考えられます。
4. 自分はいくらもらえる?年金額は定期的に確認を
ここまで見てきたのはあくまでも現在のシニアの平均額です。個人差があり、さらに世代による違いもあります。自分の受給予定額を確認する習慣もつけておきましょう。
まずは毎年誕生月に送られてくるねんきん定期便を確認するといいでしょう。ただし、50歳未満の方は「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されています。
見込額は反映されていないため、本来よりも少ない金額になっているでしょう。
そこでおすすめなのが、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」の利用です。
マイナポータルを経由してログインすることもできるため、定期的に見込額を確認する習慣をつけましょう。
厚生年金が月平均で20万円を超えない人は男性でも7割強います。「厚生年金は手厚い」と安心するのではなく、公的年金以外での老後準備について考えていく必要があるでしょう。


