「相談できない子が多い」前提で、相談しやすい環境作りを

文部科学省はお子さんに誰でも良いので相談することを推奨しており、大切なことである一方で、相談できない子が多いのも事実でしょう。

小さな子でも相談することを恥ずかしく思ったり、親を心配させたくないという気持ちから相談できなかったりする子は多いものです。

また、「学校に行かなければならない」「みんなと同じようにしなければならない」「勉強を頑張らなければならない」といった考えは特に日本では根強く残っており、その空気を感じて相談すること自体を躊躇する子も多いと考えられます。

気持ちの問題にあわせて、どのように相談したら良いのか、うまく言葉で表現できない子も少なくありません。私たちが子どもの頃を思い出すと、身に覚えがあるかもしれませんね。

ただ、不安や悩みを子どもひとりで解決するには困難なことが多いものです。すぐには解決できなくても、誰かに話を聞いてもらえるだけでもほっとしますよね。

親としては子どものささいなサインを見ておくのとともに、子どもが相談しやすい環境作りを考えたいところ。

たとえばお風呂の中でなら悩みを話してくれるというように、その子ならではの相談しやすい相手や環境、時間帯、タイミングはあるものです。

習い事や塾、地域の集まりなどでさまざまな人との触れ合いを増やし、親だけでなく家庭外で子どもが相談しやすい相手を見つけられるのもいいですね。

スクールカウンセラーは子どもだけでも相談できますから、普段から親子ともに相談し慣れておくのもいいでしょう。

また、SNSでも相談できることについて、子ども自身が知っておくことも重要です。

大人でも誰かに相談するのは勇気がいるものですから、そのハードルを下げるための環境作りを考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子