猛暑の夏、そんな厳しい天候の中でも、夏場はすくすく成長した庭の草刈りをする人も多いと思います。

その際に活躍するのが「刈払機(草刈り機)」。

そんな中、刈払機を使用中の事故について国民生活センターに多く寄せられていることがわかりました(平成21年9月から平成29年6月末まででは、事故の情報が計140件寄せられており、被害に遭われた方の約半数は60歳以上)。

今回の記事では、国民生活センターが作成した「実際の刈払機の事故の再現動画」と共に、事故を起こさないようにするにはどうしたらいいのか、紹介していきます。

また記事中では、消費者庁による令和7年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。

※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。

1. 【超危険!刈払機事故】刈払機の刃に障害物が当たると想像以上に跳ね返される!

刈払機は、ホームセンターやインターネットなどで簡単に購入することができる、草や小径木を刈り取る機械です。

しかし、線単位は鋭い刃がついており、且つ使用中は高速で回転するため、慎重に取り扱う必要があります。

正しい使用方法を守らなかった場合、指や脚などの骨折や切断などといった取り返しのつかない重篤なケガにつながる危険性があります。

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国民生活センター事故事例

出所:@kokusen_ncac_JAPAN

上記は、実際の事故の再現動画の一部です。

刈払機が、画面中央の木に当たった瞬間、そばに置いてあった人の模型に勢いよく刃がぶつかています。

模型が実際の人であった場合、重大な事故につながることは容易に想像できるでしょう。

国民生活センターでは、刈払機を使う際の注意事項として、特に以下の点を挙げています。

  • ヘルメット、保護メガネや防振手袋など、保護具を必ず装着し、事前に機器の点検を行ってから作業をしましょう。
  • 作業をする場所に、小石や枝、硬い異物などがないか確認し、除去を行ってから作業を開始しましょう。
  • 障害物や地面などにぶつかって起きる刈刃の跳ね(キックバック)に注意しましょう。
  • 刈刃に詰まった草や異物を取り除く際は、必ず機器を止めてから行いましょう。
  • 作業者の家族や周囲の方は、作業者が安全対策をきちんと行っているか一緒に確認し、作業中も作業者に変わったことがないかを常に意識するようにしましょう。

上記を必ず守って刈払機を使用して下さい。

2. 【超危険!刈払機事故】直接刃に当たるだけではない、飛散物の恐怖の映像も!

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国民生活センター事故事例

出所:@kokusen_ncac_JAPAN

国民生活センターでは、動画の中で飛散物についての危険性も訴えています。

刈刃が石などの異物に接触すると、接触した異物や破損した刈刃の破片が飛散し、作業者自身や周囲の人に当たる事故が発生します。

動画で公開されている事故の再現テストではエンジン式の刈払機を使用して、刈刃(4枚刃、8枚刃、チップソー、ナイロンコードカッター)に異物(約20~30mmの石)を接触させた際の、飛散距離及び飛散速度を調べました。また、飛散物の威力を知るための参考として、自動車に衝突させて破損の程度を調べています。

その結果は以下の通りでした。

  • 各刈刃の最長の飛散距離は4枚刃が約67.8m、8枚刃が約30.2m、チップソーは今回の条件では飛散せず、ナイロンコードカッターが約16.9mでした。
  • 各刈刃の飛散速度は、4枚刃が約130km/h、8枚刃が約76km/h、チップソーは今回の条件では飛散せず、ナイロンコードカッターが約48km/hでした。
  • 4枚刃、8枚刃では、石が刃の間に入りやすく、飛散距離及び飛散速度が大きくなりました。
  • チップソーでは、石が刃の間に入りにくく、飛散しにくいという傾向が見られました。しかし、刃の間に入るほど石が小さい場合、高速で飛散するほか、刃の先端(チップ)が破損して周辺に飛散することもあります。
  • ナイロンコードカッターでは、ナイロンコードが石に接触すると大きく変形するため、飛散距離及び飛散速度は小さい値でしたが、周辺の砂等が周囲に飛び散ることがありました。また、ナイロンコードをマネキンに接触させても、金属製の刈刃のように切り裂かれることはありませんでした。
  • 刈払機(4枚刃を装着)から10m離れた位置に停車した自動車に、飛散物(20~30mmの石)を衝突させたところ、塗装部の剥離や変形が生じたほか、ウインドーガラスが破損することがありました。

動画でも、刃に当たって飛散した石が、強固なはずの車のガラスに当たるとものの見事にヒビが入り、メリメリと割れていく様子がわかります。

小さな小石がここまでの破壊力を持つとは、事故の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

特に夏に多い草刈り。

うだるような暑さの中で、注意が散漫にならないよう、炎天下や、長時間の草刈り作業は避けるなど、十分に注意しましょう。

3. 2024年の消費者トラブルによる被害額は9兆円という結果に

日々消費活動を行うみなさんにとって、決して遭いたくないトラブルが「消費者トラブル」。

しかし、2025年6月に公表された令和7年版「消費者白書」によると、2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9兆円にのぼることがわかりました。

消費者被害・トラブル額の推計結果(新手法による算出)4/5

消費者白書

出所:消費者庁「令和7年版消費者白書」

なお、2020年からの推移は下記のとおりです。

3.1 消費者被害・トラブル額の推計結果(既支払額・信用供与を含む。)

  • 2020年:約3.6兆円
  • 2021年:約5.6兆円
  • 2022年:約6.0兆円
  • 2023年:約7.9兆円
  • 2024年:約9.0兆円

2024年の金額が近年最高額となっていることがわかりました。

なお、既支払額(信用供与を含む。)ベースでの消費者被害・トラブル額の推定額は約9.0兆円ですが、この数字には誤差が含まれており、同基準の消費者被害・トラブル額は95%の確率で8.5~9.6兆円の幅の中にあると推定されています。

また推計結果の推移をみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費の落ち込みの影響が考えられる2020年の約3.6兆円を除いて、だいたい5兆円から6兆円で推移していました。しかし、近年は増加傾向にあることが見て取れます。

また、消費者被害・トラブル額の推計結果の算出方法には、新手法と旧手法の2種類があります。

同白書によると、「旧手法」では、消費者生活相談情報(PIO-NETデータ)に含まれる、1億円以上の極端に高額な案件も推計に含められていました。そのため、発生自体が稀な高額案件が、推計全体に実態以上に大きな影響を与える可能性がありました。

そこで「新手法」では、消費者被害・トラブル額の推計は、1億円未満のデータに基づき行うこととし、相談案件が1億円以上のトラブルについては、推計には含めず、件数と総額を推計値に併記する形を取っています。

この新しい手法により、ごく一部の極端なデータが推計全体に影響を与えることを防ぎ、また実態により即した推計となりました。

なお、旧手法による2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9.6兆円と、新手法よりも金額が多くなっていることがわかります。

消費者被害・トラブル額の推計結果(旧手法による算出)5/5

消費者白書

出所:消費者庁「令和7年版消費者白書」

いずれにしても、最新の数字で9兆円にのぼる莫大な金額が被害・トラブル額として推計されている現在、消費者庁は誇大広告や偽表示を行う通販業者への行政処分、SNS広告による詐欺的副業の注意喚起など、迅速な対応を取っています。

参考資料