お受験の道のりは平坦ではない
お受験をテーマにした角田光代「森に眠る魚」では、同い年の子どもを持つママ友たちの関係や心の変化を赤裸々に描写しています。
親が子どもをリードする小学校受験では、習い事や幼児教室で他の子との比較を全くしない、または気にせずに過ごすことは難しいものがあります。
とくに小さい頃は子どもの出来は親、とくに母親の評価につながる向きがあるのも事実。お受験をする場合、「子どもが合格できるかどうか」「他の子にはないキラリと輝くものを出せるか」と躍起になり、母親を一層苦しめます。
そして、中学や高校そして大学に比べると、受験をして入る国立小学校や私立小学校の数は少ないため、限定された枠に大勢の親子が押し寄せるという構図になっています。
もちろん、受け入れる小学校側はそこまでの苦行を強いているわけではありませんが、高倍率を勝ち抜き、意中の学校との縁を引き寄せるために「日々平穏な気持ちで過ごす」のは極めて難しいものがあります。
少ない定員を勝ち取るためにライバルとのしのぎを削る。高校や大学受験とは比べられないほど親にかかるプレッシャーは大きいです。