2. 高齢者の雇用と収入 の実態
つづいて、独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199 60代の雇用・生活調査」の中から、60~64歳で実際に働いている人の回答をみていきましょう。
この調査では約8割近い人が経済上の理由で仕事を続けている ことが分かりますが、働き方の実態が気になるところです。
2.1 うまく働くために必要なこと
65歳を過ぎても働くために必要なことの圧倒的1位は「健康・体力(82.0%)」です。
ついで「仕事への意欲(58.9%)」「仕事の専門知識・技能があること(46.2%)」「協調性(年下の管理監督者の下でも働けることなど)(34.9%)」となっています。
とくに、キャリアを積んできた人ほど自分より年下の管理者に指示される違和感をぬぐえず、昔のように周囲から頼られたくても機会が少ないことで憂鬱になってしまうことがあります。
60代以降は「新しい環境や仕事の進め方に自分が合わせる」という視点が大切になるでしょう。
2.2 【正社員・パート】雇用形態 はどうなっているか
65歳以上の男女の雇用形態は、「正社員(21.4%)」「パート・アルバイト(40.7%)」「嘱託(15.2%)」「契約社員(14.4%)」という割合になっているようです。
ただし、正社員の割合は男性が29.3%で女性は11.0%。パート・アルバイトの割合は男性22.4%に対し、女性64.9%と差が大きく開く結果となりました。
所定の勤務時間では、フルタイムが50.6%。残り半分は1日の労働時間が短い・1週間あたりの勤務日数が少ないなどの短時間勤務のようです。
一方、調査時点で働いていなかった人のうち71.8%は「仕事をしたいと思わなかった」、26.4%は「仕事をしたいと思いながら仕事につけなかった」と回答しています。
若い間に想像している老後と、老後をむかえた時の現実にはギャップがある可能性があります。
老後に「自分が本当にしたい」ことを優先できるよう、生活に困らない備えをしておきたいですね。