3. 不動産オーナーの仕事

では、不動産オーナーには具体的にどのような業務があるのか見ていきましょう。

3.1 入居者募集

オーナーチェンジ物件などで入居者をそのまま引き継いで購入するケースを除き、不動産を購入してまず初めにやるべきオーナー業務は入居者募集です。もちろん現入居者が退去した後にも入居者募集は必要です。

具体的には、物件に「入居者募集中」の張り紙をしたり、近隣の不動産会社に自身の物件を紹介してもらうようお願いしたり、Webサイトに広告を載せたりします。

3.2 入退去に伴う契約手続き

入居の申し込みが入ったら、入居審査を行います。職業・勤務先・年収など申込者の属性を精査し、入居させても問題ないと判断したら、次は契約手続きです。

契約手続きに伴って、入居者から家賃など契約条件の交渉が入る場合もあるでしょう。交渉を受け入れるかどうか、判断するのは不動産オーナーです。

退去の申し入れがあった場合は、退去に伴う契約解除の手続きを行います。退去時には室内のチェックに立ち会い、破損箇所や修繕が必要な箇所がないかどうかの確認が必要です。

原状回復費用をどちらがどの程度負担するかについては、契約内容や物件の使用状況によって、適切に判断しなければなりません。

3.3 家賃回収・管理と滞納時の督促

入居者からの家賃回収・管理は不動産オーナーの仕事です。もし滞納している入居者がいれば、適切な手順を踏んで催促する必要があります。

督促の流れは

  1. 電話で家賃の支払いを催促する
  2. 入居者に督促状を送る
  3. 連帯保証人に督促状を送る
  4. 内容証明郵便にて「契約解除の予告通知書」を送る
  5. 明け渡し請求訴訟の申し立てを行う
  6. 裁判
  7. 強制執行

途中で滞納者が支払いや物件の明け渡しに応じてくれればよいですが、督促に応じてもらえない場合、上記のような法的手段を取らざるを得ません。

時間・手間・費用面でオーナーの大きな負担となるため、家賃回収・管理・督促に関しては管理会社に委託する人が多いでしょう。

3.4 入居者トラブル、クレーム、修繕依頼の対応

入居者同士のトラブルやクレーム、近隣からのクレーム、設備修理の依頼に対応するのも不動産オーナーの仕事の1つです。

突発的な故障や緊急の連絡は時間を問わず対応しなければならないケースもあるため、管理会社に委託する人が多いでしょう。

3.5 建物の定期清掃

一棟物件を所有している場合は、共用部分の定期的な清掃を行う必要があります。

共用部分がきちんと清掃・管理されていないと、入居者の不満を招いて退去につながったり、入居者が集まらなかったりする可能性があるでしょう。

オーナー自らが全て行うことは難しいため、実際の業務は清掃会社の手配と費用負担です。

3.6 物件・設備のメンテナンス

一棟物件を所有している場合、外壁など建物全体の点検・修繕、廊下・階段・エントランス・エレベーターなど共用部分の点検・修繕といったメンテナンス業務があります。敷地内の雑草の処理、植栽管理もその一部です。

それぞれ異なる業者を手配し、見積もりや交渉などをしなければならないため、一括して管理会社に委託するオーナーが多いでしょう。ただし、管理会社を経由する分マージンが上乗せされ、相場より高くなる可能性があります。