1.2 パソコン代

物件を調べたり、確定申告のテンプレートをダウンロードしたりするためにパソコンを使用している場合、パソコン購入費用の一部を不動産所得の経費として算入できます。

間接的ではありますが、不動産所得を得るために必要な費用と見なされるのです。

ただし、パソコンは不動産投資用以外にも用途があるため、購入費用の全てを不動産所得の経費に盛り込むことはできません。

日常や他の仕事で利用する時間と比較して「どれくらいの割合で不動産投資用に利用しているのか」を計算し、その割合分だけ経費に算入する必要があります。

この手続きを案分といいます。最終的に経費として認めるか否かは税務署の判断に一任されているので、担当職員に論理的な説明ができるのであれば、自分で案分を行っても問題ありません。

お勧めの方法としては、まず不動産投資のために利用した時間を算出し、全体の利用時間の何割を占めているのか明らかにします。

その上で、パソコンの購入代金やインターネットに接続するためのプロバイダ料、インストールしたソフトの利用料を全て明文化します。それらの費用に、先ほど算出した不動産投資のために利用している割合を当てはめて経費を算出するとよいでしょう。

資料などもあわせて提出できれば、税務署で経費と認められる可能性はより高まります。

ちなみに10万円以上となる場合は、購入した年に一括で経費計上するのではなく、減価償却が必要になりますので注意しましょう。

1.3 通信費

先ほどパソコン代の部分でも触れましたが、インターネットへの接続費用も不動産所得の経費として認められます。

さらにスマートフォンなどを通して情報収集を行う場合、スマートフォンの利用料金の一部も不動産投資の経費として算入することが可能です。

パソコン代と同様、経費として認められるのは不動産投資のために利用した部分だけです。不動産投資のために費やした時間を基準として、案分を行うことをお勧めします。

経費として認められるよう、税務署へ確定申告を行う際に論理的に説明できるようにしておきましょう。

1.4 車両運搬具

車両運搬具という勘定科目には、乗用車などの資産が含まれます。

不動産投資では、乗用車の利用にかかるガソリン代や自動車税などの維持費、取得にかかった費用も経費として認められるのです。

先程のパソコン代と同様に、経費として認められるのは「不動産投資用に利用した分」のみです。案分計算が必要になりますので注意しましょう。

例えば、物件の内覧や管理会社との打ち合わせに現地まで車で行った場合のガソリン代などが経費に該当します。知っておくと便利な経費の1つです。

どの経費にもいえることですが、必ず領収書を保管しておくこと、10万円以上の資産については減価償却が必要になるケースがあることを覚えておきましょう。

1.5 不動産投資にまつわる学習の費用

不動産投資の分野ではさまざまなセミナーや勉強会が開催されていますが、参加するものによっては参加費を徴収している場合があります。

この参加費は、不動産投資に必要な知識を得るための出費と見なされ、全額経費に算入することが可能です。

もちろん、不動産投資に関連するセミナー・勉強会であることが条件になります。

知識習得にも節税にもなるので、不動産投資を勉強したいと考えている方はぜひ参加してみましょう。

さらに不動産市場の動向を知るために購読する新聞や、賃貸経営や不動産投資を学ぶために購入した書籍代も経費に含めることができます。