さまざまなライフスタイルがある中、増えているといわれるのが離婚。

内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」によると、2020年の離婚件数は20万件近くあります。

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出典:内閣府「男女共同参画白書 令和4年版 特集編 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」

初婚件数が53万あることを考えると、離婚の割合は決して小さくないでしょう。

1955年からの離婚件数の推移を見ると、1955年は7万5000件、1980年は16万7000件、直近の2021年は18万8000件と、徐々に増えているのがわかります。

特に熟年離婚となると、老後の資金の柱「年金」について気になる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、年金の基本的な仕組みについて解説したうえで、離婚した場合の年金事情も見ていきましょう。

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1. 国民年金と厚生年金「日本の公的年金制度」とは

まず、日本の公的年金制度をおさらいしましょう。

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出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1階部分の国民年金は、20〜60歳の人全員が受給します。自営業者や専業主婦が受け取ることができる年金です。

2階部分である厚生年金は、公務員や会社員が国民年金に上乗せして受給できる年金です。厚生年金は国民年金より受給額が手厚いと言われています。

それでは、離婚後の年金についてここから見ていきましょう。

2. 【年金】離婚後の年金分割制度とは?基本を知る

年金は個人が加入する制度ですが、前述したように、働き方によってもらえる年金は異なってきます。

例えば、女性の場合は育児や介護のために仕事を辞めたり、働き方を変えたりすることがあるでしょう。

会社員からパートに働き方を変えるに伴い、厚生年金から国民年金に加入する場合も想定されます。

そうして「会社員の夫と専業主婦」が離婚した場合、厚生年金に加入している夫だけが手厚い年金を受け取ることができます。

そうなると妻の生活が困難になる可能性があるので、夫の厚生年金を「分割」する制度があるのです。

3. 厚生年金「離婚時の分割制度」2つを解説

離婚時の年金分割は2つの制度があるので、ここから確認します。

3.1 離婚の年金制度1:合意分割制度

合意分割制度とは、分割割合を話し合いで決定するものです。話し合いがまとまらない場合は、調停や裁判をします。

2分の1を上限として、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を分割します。

条件は以下の通りです。

  • 婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること(共済組合などの組合員である期間を含む)
  • 当事者の合意または裁判手続により按分割合を定めたこと(合意がまとまらない場合、当事者の一方の求めにより、裁判所が按分割合を定められる)
  • 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと

これらの条件を満たすことで、ご自身の国民年金に「分割された標準報酬月額・標準賞与額に応じた厚生年金額」を加算できます。

3.2 離婚の年金制度2:3号分割制度

3号分割制度とは、第3号被保険者からの請求で、2008年4月1日以降の婚姻期間中の相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)の2分の1を分割できる制度です。

当事者の合意は必要ないのが、「3号分割制度」のポイントです。

条件は以下の通りです。

  • 婚姻期間中に2008年4月1日以降の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること(共済組合などの組合員である期間を含む)
  • 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと

これら2つの条件を満たすことで、自分の国民年金に加算して受給できます。

4. 離婚後に年金格差に陥らないために

育児や介護のために、どうしても働き方を変えなければならない女性は少なくありません。当時は仕方なく仕事を辞めたものの、離婚の際にはお金のことを考える人もいるかもしれません。

現役時代の収入は、老後の年金の額に影響することが多いのです。

これを防ぐには、まず離婚時の年金分割について調べ、そのうえで正しく手続きをする必要があるでしょう。

現在パートタイムで働く人でも、一定の条件を満たせば、厚生年金に加入することができます。

また、働き方を変えたり、収入を増やすことで、将来受け取る給付額を増やすのも有効な方法です。

すぐに働けない場合は、国民年金基金やiDeCoなどの税制優遇のある制度で個人年金を作ることをお勧めします。

有事の際に備えるために、早いうちからコツコツ貯蓄を進めることが大切でしょう。気がついたらすぐに行動を起こすことが大切です。

参考資料