3. 厚生年金「離婚時の分割制度」2つを解説

離婚時の年金分割は2つの制度があるので、ここから確認します。

3.1 離婚の年金制度1:合意分割制度

合意分割制度とは、分割割合を話し合いで決定するものです。話し合いがまとまらない場合は、調停や裁判をします。

2分の1を上限として、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を分割します。

条件は以下の通りです。

  • 婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること(共済組合などの組合員である期間を含む)
  • 当事者の合意または裁判手続により按分割合を定めたこと(合意がまとまらない場合、当事者の一方の求めにより、裁判所が按分割合を定められる)
  • 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと

これらの条件を満たすことで、ご自身の国民年金に「分割された標準報酬月額・標準賞与額に応じた厚生年金額」を加算できます。

3.2 離婚の年金制度2:3号分割制度

3号分割制度とは、第3号被保険者からの請求で、2008年4月1日以降の婚姻期間中の相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)の2分の1を分割できる制度です。

当事者の合意は必要ないのが、「3号分割制度」のポイントです。

条件は以下の通りです。

  • 婚姻期間中に2008年4月1日以降の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること(共済組合などの組合員である期間を含む)
  • 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと

これら2つの条件を満たすことで、自分の国民年金に加算して受給できます。