あっという間に夏が来ました。子どもの頃には長い夏休みがありましたが、大人はどれだけ暑くても毎日働きます。
仕事にやりがいを感じる方、お金のために働く方、あるいは社会的意義を見出した方。働く理由は人それぞれです。
しかしいずれやってくる定年退職の後は、働く方とリタイヤする方にわかれます。悠々自適な老後生活に憧れる一方、やはり不安なのは老後のお金ですよね。
公的年金の一つである厚生年金について、月平均で20万円超をもらっているシニアを羨ましいと感じてしまうものです。
実際にはどれくらいの人が20万円超の厚生年金を受給しているのでしょうか。くわしく見ていきましょう。
【注目記事】「老後に2000万円必要」はウソ?【役所は教えない】年金だけで暮らしていく方法とは
1. そもそも厚生年金を受給できない人もいる
日本の年金制度は2階建て構造となっており、1階が国民年金(基礎年金)、2階が厚生年金となっています。
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出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成
厚生年金を受給できるのは、現役時代に第2号被保険者として厚生年金にも加入していた会社員、公務員のみです。
それ以外の自営業者や専業主婦などは、老後に厚生年金を受給できないので注意しましょう。
また厚生年金の受給額は、現役時代の収入や加入期間によって決まります。高い収入を得ていた人、長く働いた人などが、高い年金を受給できるという仕組みです。
2. 厚生年金を20万円超も受給する人は何割か
では厚生年金の平均的な受給額とはいくらぐらいなのでしょうか。2021年12月に発表された最新データ、厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から見ていきましょう。
なお、実際には年金は2ヵ月分まとめて支給されます。ここではわかりやすいように「月平均」の受給額をご紹介します。
2.1 厚生年金の年金月額階級別の老齢年金受給者数【全国男女計】
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厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
男女計 平均年金月額:14万4366円
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
厚生年金のボリュームゾーンは、月平均で9万円から10万円。全体平均が14万4366円であるのと比べると、少ない印象を受けます。
2.2 厚生年金が月平均20万円の受給額の人は何割?
厚生年金を月平均で20万円もらっている人数は、全国に78万1979人です。全体は1610万133人なので、
- 78万1979人÷1610万133人=4.86%
約5%が20万超えの年金を受給している計算になります。
3. 男性の方が「厚生年金20万円超」は多いのか
男女別にも確認してみましょう。厚生労働省の同資料から、男性の厚生年金受給額を見ていきます。
3.1 厚生年金の年金月額階級別の老齢年金受給者数【全国男性】
男性平均年金月額:16万4742円
- 1万円未満:7万2507人
- 1万円以上~2万円未満:1万2071人
- 2万円以上~3万円未満:5395人
- 3万円以上~4万円未満:1万170人
- 4万円以上~5万円未満:3万714人
- 5万円以上~6万円未満:6万7421人
- 6万円以上~7万円未満:16万3063人
- 7万円以上~8万円未満:24万4810人
- 8万円以上~9万円未満:24万2657人
- 9万円以上~10万円未満:27万3243人
- 10万円以上~11万円未満:35万350人
- 11万円以上~12万円未満:43万8383人
- 12万円以上~13万円未満:51万8659人
- 13万円以上~14万円未満:60万8992人
- 14万円以上~15万円未満:70万4371人
- 15万円以上~16万円未満:79万3583人
- 16万円以上~17万円未満:88万4219人
- 17万円以上~18万円未満:94万8543人
- 18万円以上~19万円未満:94万2288人
- 19万円以上~20万円未満:87万9047人
- 20万円以上~21万円未満:75万7129人
- 21万円以上~22万円未満:59万345人
- 22万円以上~23万円未満:41万4195人
- 23万円以上~24万円未満:28万2665人
- 24万円以上~25万円未満:19万63人
- 25万円以上~26万円未満:12万1426人
- 26万円以上~27万円未満:7万5194人
- 27万円以上~28万円未満:4万4547人
- 28万円以上~29万円未満:2万2741人
- 29万円以上~30万円未満:1万807人
- 30万円以上~:1万6346人
ボリュームゾーンが月平均で17万円から18万円となったので、かなり金額があがることがわかります。
3.2 男性で厚生年金が月平均20万円の受給額の人は何割か
厚生年金を月平均で20万円もらっている男性の人数は、全国に75万7129人。
男性の全体が1071万6244人なので、
- 75万7129人÷1071万6244人=7.07%
全体の約7%であることがわかります。
4. 女性で「厚生年金20万円超」は何割か
続いて女性の数値も確認していきましょう。
4.1 厚生年金の年金月額階級別の老齢年金受給者数のデータ【全国女性】
女性平均年金月額:10万3808円
- 1万円未満:2万8004人
- 1万円以上~2万円未満:6884人
- 2万円以上~3万円未満:6万1267人
- 3万円以上~4万円未満:10万9541人
- 4万円以上~5万円未満:9万4941人
- 5万円以上~6万円未満:10万3206人
- 6万円以上~7万円未満:23万8112人
- 7万円以上~8万円未満:44万9205人
- 8万円以上~9万円未満:69万2135人
- 9万円以上~10万円未満:85万2017人
- 10万円以上~11万円未満:76万8808人
- 11万円以上~12万円未満:57万9740人
- 12万円以上~13万円未満:40万7435人
- 13万円以上~14万円未満:28万8035人
- 14万円以上~15万円未満:20万8976人
- 15万円以上~16万円未満:15万2367人
- 16万円以上~17万円未満:10万9888人
- 17万円以上~18万円未満:7万5929人
- 18万円以上~19万円未満:5万1905人
- 19万円以上~20万円未満:3万7458人
- 20万円以上~21万円未満:2万4850人
- 21万円以上~22万円未満:1万6796人
- 22万円以上~23万円未満:1万976人
- 23万円以上~24万円未満:6934人
- 24万円以上~25万円未満:3951人
- 25万円以上~26万円未満:2188人
- 26万円以上~27万円未満:1098人
- 27万円以上~28万円未満:516人
- 28万円以上~29万円未満:208人
- 29万円以上~30万円未満:144人
- 30万円以上~:375人
女性の場合、厚生年金の月額平均のボリュームゾーンは、月平均で9万円から10万円。男女合計でみたときと同水準になりました。
4.2 女性で厚生年金が月平均20万円の受給額の人は何割か
厚生年金を月平均で20万円もらっている女性の人数は、全国に2万4850人います。
国内の女性の厚生年金受給者数は538万3899人。
- 2万4850人÷538万3899人=0.46%
つまり、20万円超の女性は全体の約0.5%しかいません。女性で厚生年金を月平均で20万円受給している人は、かなり少ないということがわかります。
女性は厚生年金に加入してもフルで働く方は少なく、出産や介護で離職することも多いです。さらに今のシニアでは男女間での賃金格差も大きかったため、年金にも影響していると考えられます。
5. 老後を生き抜くコツ
「将来は厚生年金を受給して暮らす」と考えている方は、具体的にいくらの収入があれば安心だと考えているでしょうか。
10万円、15万円、20万円…。家族構成や持ち家の有無によって大きく変わるでしょう。
しかし、20万円もの厚生年金を受給できるのは、男女ともに数%です。1割にも満たないことを考えると、年金だけをあてにした老後設計は無謀といえるでしょう。
老後を生き抜くためには、貯蓄と健康がカギとなります。
セカンドライフに向けて、コツコツ老後資金を形成していきましょう。並行して健康管理もとても重要です。
定年退職後は生活費が減ると感じる方も多いですが、シニアの医療費は思いの外高いもの。こうした出費を減らすためにも、健康管理と貯蓄は平行して頑張りたいですね。
参考資料
太田 彩子
