先月の国家公務員の夏のボーナスの減少幅が、平成以降で最大と注目を浴びました。
一方で、人事院が8月に行う国家公務員の給与改定勧告では、月給とボーナスをそれぞれ3年ぶりに引き上げる公算が大きいとニュースになっています。
国家公務員の賃金は民間企業の水準に応じて見直されていますが、その民間では新型コロナウイルスの影響で弱まっていた賃上げの勢いが回復しており、月給とボーナスともに民間が公務員を上回る可能性が高いとされているからです。
ただし、賃上げの勢いが回復していると言っても、実感できている方は少ないのではないかもしれませんね。
今回は、国家公務員と地方公務員の退職金の面から、民間企業の会社員と比較し、徹底解説していきます。
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1. 【退職金】地方公務員・国家公務員ともに2000万円超
まずは、公務員の退職金はいくらかを詳しく見ていきましょう。
地方公務員(一般職員、勤続25年以上の定年退職等)の平均退職金額を、総務省公表の「令和2年 地方公務員給与の実態」で確認します。
1.1 地方公務員の退職金の平均
- 都道府県:2179万8000円
- 指定都市:2111万1000円
- 市:2119万5000円
- 町村:2025万2000円
- 全地方公共団体:2130万9000円
すべての地方公共団体で2000万円を超えることがわかりました。
次に、国家公務員の平均退職金額を、内閣官房が公表した「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」を参考に確認します。
1.2 国家公務員の退職金の平均
- 常勤職員(定年):2142万1000円
こちらも2000万円を超えています。
国や地方自治体に勤務し、社会の土台作りとなる仕事である公務員。
重責が伴う仕事ではありますが、そもそも退職金がない企業も存在することを踏まえると、この金額を受け取れる公務員という仕事が人気となる理由も納得といえそうです。