まずは60歳代を含む全体の平均貯蓄額をチェック
最初に、二人以上の世帯における2021年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)をみていきます。
総務省が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯当たりの貯蓄額は下記の通りです。
- 1世帯当たり貯蓄現在高・・・1880万円
- 貯蓄保有世帯の中央値・・・1104万円
平均値も中央値も1000万円を超えています。
参考)平均値と中央値とは?
平均値と中央値に大きな差があることに驚いた方もいるのではないでしょうか。
平均値はみなさんご存知のとおり、すべての値を足し合わせて対象の数で割った金額です。これに比べ、中央値とは値を小さい順に並び替えたときに真ん中にくる数字をいいます。
例えば次の5人がそれぞれ以下の貯蓄額だったとしましょう。
- Aさん:100万円
- Bさん:100万円
- Cさん:100万円
- Dさん:100万円
- Eさん:5000万円
この場合、平均は(100万+100万+100万+100万+5000万)÷5=1080万円になります。
ほとんどの人が100万円しか持っていない中、「平均は1080万円」と言われてもかけ離れている印象を持つのではないでしょうか。
このように、平均値は一部の「お金持ち」層によって引き上げられる可能性もあるため、貯蓄額を見るとき「中央値」を参考にするといいでしょう。
中央値の他に実態を知るのに参考になるのが、分布の様子です。