2. レントロールに記載されている項目の一覧

レントロールの書式は法律などで正式に決められているわけではないため、不動産管理会社やオーナーによっても細かな書式は異なります。

しかし、どのようなレントロールでも最低限記載してある項目はある程度共通しているため、ここでは基本的な項目を紹介します。

2.1 項目①契約日

レントロールには、それぞれの部屋で、各入居者が契約を結んだ日付が記載されています。基本的には、契約日から日数がたっていればいるほど、入居者が退去する可能性が高くなります。

また、長く入居している方が数年、または数十年ぶりに退去することになった場合はそれだけ部屋が傷んでおり、修繕費が発生する可能性があるということも覚えておきましょう。

なお、単に「契約日」とされている場合もあれば、「契約開始日」「入居日」そして「更新日」と、さらに細分化されている場合もあります。

それぞれの違いを以下にまとめました。

契約開始日

レントロールに記載されている「契約開始日」とは、入居者が物件に入居するという旨の契約を結んだ日付のことです。

一旦契約だけを締結してから、数日~数週間後に本格的な入居を始めるというケースもあるため、必ずしも契約開始日=入居日とは限らないという点には注意しましょう。

契約を更新して入居を継続するのか、もしくは更新せず退去するのかといった契約更新の有無を判断するタイミングは、この契約開始日を基準に計算されます。

入居日

入居日は、入居者がその物件で実際に入居を開始した日付のことです。基本的には、入居者が長く入居していると、それだけ退去した際に必要な修繕の作業が多くなり、当然修繕費もかかるようになります。

そのため、入居日から現在までの日数を計算することで、「仮に今この入居者が退去することになったら、どの程度の修繕費が必要になるのか」といった目安をある程度予測できます。

更新日

更新日とは、入居者が次に契約を更新することになる日付であり、言い換えると現在の契約期間が終わるタイミングのことです。

一般的には、契約日から2年間が契約期間とされており、入居者は契約期間が終わるタイミングで契約を更新するのかどうかを判断することになります。

契約を更新して入居を続けるという場合もあれば、更新日の前に退去してほかの物件に引っ越すという場合も当然あります。

そのため、もうすぐ更新日が訪れるという部屋が複数ある場合は、立て続けに退去希望者が発生して家賃収入が減ってしまう可能性もあるということを覚えておきましょう。

2.2 項目②契約状況(現況)

「契約状況」の欄では、現在その部屋に入居者はいるのかどうか、また入居や退去の予定はあるのかどうかといったことが記載されています。

この欄に書かれる情報は、基本的には、「入居中」「入居予定」「退去予定」「空室」のうちいずれかです。

レントロールを確認した時点で空室が多い物件では、家賃収入がそれほど見込めないため空室率はよく確認しておきましょう。

2.3 項目③用途

レントロールに記載されている「用途」とは、入居者がその部屋を利用している目的のことです。

基本的には「住居」、法人の利用であれば「事務所」または「店舗」として利用されている可能性もあります。

2.4 項目④契約者の属性

契約者は個人なのか、それとも法人なのかといった属性もレントロールに記載されていることがあります。

なお、入居者は個人であっても契約者は法人である可能性もあるという点には注意が必要です。

なぜなら、社宅として法人が複数の部屋をまとめて借りているというケースもあるためです。

このような場合は、用途は「住居」で契約者の属性は「法人」ですが、実際の入居者は個人ということになります。

また、上記のように法人が社宅として複数の部屋を借りている場合は、その法人が契約を解除することで、大量に空室が発生してしまう可能性があるということにも注意しましょう。