「35歳転職限界説」は本当か

「35歳転職限界説」とは、転職は35歳までが限界であり、それ以降は転職自体が難しくなるという説です。

昔はよく言われたことですが、最近では35歳以上でも転職が成功している人はおり、必ずしもそうとはいえないと言われています。

年齢別の転職者数の参考の一つとして、総務省の「令和3年 労働力調査年報」より、年齢階級別の転職者数を確認しましょう。

2021年 年齢階層別転職者数:全体(男性・女性)

全体:288万人(133万人・156万人)

  • 15~24歳:54万人(24万人・29万人)
  • 25~34歳:66万人(29万人・37万人)
  • 35~44歳:55万人(22万人・33万人)
  • 45~54歳:52万人(20万人・32万人)
  • 55~64歳:42万人(23万人・18万人)
  • 65歳以上:21万人(14万人・7万人)

上記を見ると35歳までと、35歳以降では転職者数がそこまで変わりがありません。全体では15~54歳までは50万人以上となっており、55~64歳で40万人台へ下がっています。

男女別にみると転職者数は女性の方が多く、女性は25~54歳で30万人を超えていることが分かります。女性はライフステージの変化により転職する方が多いと考えられるでしょう。

単純に人数だけで見れば、すでに「35歳転職限界説」は通用しないように思えます。

ただし25~34歳が66万人と最も多くなっており、2017年からの全体の人数を見ても最も多いのは「25~34歳」です。

転職者の比率も見てみましょう。

2021年 年齢階層別転職者比率:全体(男性・女性)

全体:4.3(3.6%・5.2%)

  • 15~24歳:9.8%(8.7%・10.5%)
  • 25~34歳:6.0%(4.9%・7.4%)
  • 35~44歳:4.2%(3.0%・5.6%)
  • 45~54歳:3.2%(2.3%・4.4%)
  • 55~64歳:3.6%(3.5%・3.5%)
  • 65歳以上:2.3%(2.6%・1.9%)

転職比率で見ると20代前半が男女ともに最も多く、次に「25~34歳」。女性は歳を重ねるごとに減りますが、男性は「55~64歳」で上がります。この理由の一つに、早期退職や定年後の転職が考えられるでしょう。

以上を見ると、転職しやすく、またより良い条件を求めるならば「25~34歳」が最適といえそうです。現代では35歳で転職が限界というより、35歳までの転職が有利でしょう。