3. 所得控除と税額控除の違い
所得税の計算において、所得税額を求める前に利用するのが所得控除で、求めた所得税額から差し引くものが税額控除です。税額控除の代表的なものに、「住宅ローン控除」や「配当控除」があります。
課税所得金額を求める経過で利用される所得控除と、課税所得金額に該当する税率を乗じて求めた金額から差し引く税額控除では、税額控除の方が節税効果が高いことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
4. 税制改正の情報にも敏感になっておくこと
令和2年の税制改正では、基礎控除の改正を始め、給与所得控除や公的年金等控除が改正されるなど大きな見直しがありました。
そして、今後においては生命保険料控除について、現行の最大12万円から15万円に拡大する要望案が提出されています。具体的に施行されるかはまだ決まっていませんが、施行されることが決定した場合には、支払っている保険料額によっては所得控除額が増える可能性があります。
税制改正の内容は、私たちの所得税などに直接関係するものが多いため、毎年12月の発表時には必ずチェックしておきましょう。
参考資料
- 国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」
- 国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」
- 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 国税庁「No.1130 社会保険料控除」
- 国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」
- 国税庁「No.1140 生命保険料控除」
- 国税庁「No.1145 地震保険料控除」
- 国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」
- 国税庁「No.1160 障害者控除」
- 国税庁「No.1170 寡婦控除」
- 国税庁「No.1171 ひとり親控除」
- 国税庁「No.1175 勤労学生控除」
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
- 国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
- 国税庁「No.1180 扶養控除」
- 国税庁「No.1199 基礎控除」
- 国税庁「所得税のしくみ」
- 国税庁「No.1200 税額控除」
新井 智美