文化的活動は教養の土台になる

また、親子のコミュニケーションがあっても読み聞かせや情操教育のような文化的活動が乏しいと、学力の底上げに時間がかかることもあります。

裕福な家庭の子でも幼児期に文化的活動の経験が少ないと、語彙力や知っていることが同学年の他の子達よりも少ない印象を受けたことがあります。
 
子どもの語彙力獲得を振り返ってみると、授業内で学ぶなど学校を通して身につくものは差がほとんどありません。そのため、語彙力の差が出るのは家庭内での会話や読書に寄るところが大きいです。

乳幼児期から親が積極的に本を図書館で借りてきて読み聞かせをしてきた子と、読み聞かせを家庭ではほとんど行わず、保育所や幼稚園のみという子では触れてきた語彙数の差が生じてしまいます。

そして、親の言動や公園や動物園、博物館といった施設に連れて行き知的好奇心を促してきたかどうかも重要です。

小さい頃から様々な体験を通じて刺激を受けることは「知りたい」という気持ちを育てていきます。学力向上は単に勉強するだけでなく、「知りたい」という気持ちや、目標に向かって努力する気持ちが欠かせません。

幼児期からこうした読み聞かせや情操教育をするかどうかは、経済力以上に親の考えに左右されます。たとえ経済力があっても、こうした分野に興味関心のない親であれば「裕福な子だけれど家庭内での情操教育が乏しい子」になります。