もうすぐ夏休みがやってきます。
コロナの動向も気になるところですが、今年こそ子どもたちを楽しませたいと願う家庭は多いことでしょう。
レジャー費用は痛い出費となるものの、今しかない子どもとの大切な時間を楽しく過ごしたいと考えますよね。
育児にはレジャー費以外もの何かとお金がかかりますが、それを支えてくれるのが児童手当です。決して高額ではないものの、生活費や教育費の足しにしている家庭は多いです。
そんな児童手当も、2022年10月以降は年収1200万円を超えると受給できなくなります。何かと所得制限にひっかかることの多い「年収1000万円ちょっと超え」の世帯の悲鳴を聞いてみましょう。
日本で年収1000万円超えは何割?高所得なのか
まずは、年収別の割合から世帯年収1000万円以上はどれくらいいるのかみていきましょう。
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出典:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
上記の資料によると、年収1000万円台の割合は以下の通りになります。
「年収1000万円超~1500万円以下」(全体175.3万人・3.4%)
- 男性5.2%
- 女性0.7%
年収1000万円以上(全体240.6万人・4.6%)
- 男性7.1%
- 女性1.1%
給与所得者5245万人のうち、年収1000万円以上を達成しているのは全体で4.6%ということがわかりました。ただし、経営者や個人事業主などで、年収1000万円を達成している人はもっといるでしょう。
こう考えると、年収1000万円が「雲の上の超富裕層」とはいえません。それでも児童手当の支給は廃止されてしまうとなると、頭を抱えたくなる方もいるでしょう。
児童手当の所得制限とは?
現在、児童手当は以下の通りに支給されています。
- 3歳未満の子ども:月1万5000円
- 3歳以上から小学校修了まで:月1万円(第3子以降は1万5000円)
- 中学生:月1万円
毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が原則支給されるという仕組みです。
ただし、所得制限を超えた世帯には特例給付として「月額5000円」が支払われます。所得制限は扶養家族と「世帯主の収入額の目安」によって変動します。
扶養家族0人(前年末に児童が生まれていない場合等)
- 収入額の目安 833.3万円
扶養家族1人(児童1人等)
- 収入額の目安 875.6万円
扶養家族2人(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)
- 収入額の目安 917.8万円
扶養家族3人(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)
- 収入額の目安 960万円
扶養家族4人(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)
- 収入額の目安 1002万円
扶養家族5人(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)
- 収入額の目安 1040万円
現在の所得制限は以上のとおりですが、2022年10月からは「年収1200万円を超えた世帯で特例給付金が廃止」となります。つまり5000円すらもらえなくなるのです。
「たくさん稼いでいる世帯に児童手当は必要ない」という論調に思えますが、本当にそうでしょうか。年収1000万円を軽く超えた富裕層には「月5000円は必要ない」と考える方も一定数いるかもしれません。
しかし、年収1000万円を超えたあたりの世帯にとっては、苦しい思いをすることになります。
年収1200万円世帯は「私立高校授業料の実質無償化」も対象外
高校に通う子どもがいる世帯に、原則11万8800円を支給する「高等学校等就学支援金制度」という制度があります。私立高校に通う場合、この支給額があがり年間39万6000円が原則支給されます。
高校の教育費は大きいので、この支給は家計を支える大切な制度です。しかしこの制度、実は所得制限があるのです。
私立高校の授業料が実質無償になる「39万6000円」を受け取れるのは、年収約590万円の世帯まで。さらに公立高校に通う場合の11万8800円が受け取れるのは、年収約910万円の世帯までなのです。
年収1200万円であれば、この基準も超えてしまうことになります。この差は大きいと言えるでしょう。
ちなみに、児童手当は主に生計を維持する人の年収で判定しますが、「高等学校等就学支援金制度」は両親の所得で判定されます。
年収1200万円世帯は大学無償化も対象外
「大学無償化」と呼ばれる「高等教育の修学支援新制度」が2020年に開始しました。これにより、一定の所得に満たない世帯では「授業料減免制度」「給付型奨学金」という2つの支援を受けられます。
しかしこちらも子どもの人数や年齢によって所得制限が決まり、一番高い収入でも約460万円です。つまり、年収1200万円以上の世帯は対象外となるため、大学無償化の制度も利用できないのです。
教育を受ける機会は平等であるべきで、低所得者への支援は必須だと言えます。しかし、あらゆる子育て支援が対象外となれば、逆転現象に感じてしまう方もいるのではないでしょうか。
年収1200万円以上の世帯が備える教育費
児童手当だけで子ども一人分の教育費がまかなえるわけではないとはいえ、特例給付も廃止になるとすれば、マネープランを練り直す必要があります。
私立高校授業料の実質無償化や大学無償化の制度も利用できない分、高くなる学費に備える必要があるでしょう。子どもがまだ小さいのであれば、返戻率の高い学資保険や低解約返戻金型終身保険を使い、大学費用を貯める方法があります。
また2023年に廃止を迎えるジュニアNISAでも、今から始めればわずかでも非課税投資枠を確保できます。子どもが18歳になるまでは非課税で保有することもできるので、こうした制度に興味がある方は検討してみてもいいでしょう。
貯め時は子どもが小学校高学年を迎えるまでとも言われます。ただし家族構成やライフプランによっても異なるので、人生の中での貯め時を考えてみましょう。
参考資料
- 内閣府「児童手当制度のご案内」
- 内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律等の施行について」
- 文部科学省「2022年4月からの私立高校実質無償化リーフレット」
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
太田 彩子
