年収は上がらないのにどう貯蓄すれば

この先、順調に年収が上がっていくかどうかは不透明なところがあります。

平均年収はこの30年ほとんど上がっていませんが、一方で負担するお金は増えています。

  • 〈消費税〉1989年に消費税が3%で導入→現在は10%(軽減税率8%)に増税
  • 〈厚生年金の保険料率〉1990年代初め約14%→現在は18.3%に引き上げ
  • 〈国民年金の保険料〉1990年に月8400円→現在は月1万6590円に引き上げ
  • 〈健康保険料〉2008年に8.20%→現在は10%以上に引き上げ(協会けんぽ:全国平均)

日本全体の数字だけでなく、個人の実感としても「昇給しているのになぜか手取りがあがらない」と感じる方は多いのかも知れませんね。

加えて昨今の急激な物価上昇を受けて、貯蓄が難しく感じる場面も増えます。

今一度、令和の貯蓄の基本に立ち返ってみましょう。

貯蓄の基本1. 収支を把握する

当たり前の方法ではありますが、月々の収支をしっかり見直すことが基本です。少なくとも3ヵ月は続けることで、季節要因となる出費も把握しましょう。

使途不明金は貯蓄の大敵です。できればチャージ式のキャッシュレス決済に統一し、予算管理・支出の記録を行うといいですね。

無意識な出費=ラテマネーに気づくと支出記録を拒否したくなりますが、今把握できたことを「ラッキー」と捉え、支出管理はできるだけ続けることがカギになります。

貯蓄の基本2. 固定費を削減する

電気代、ガス代、スマホ代、会員費用などを見直すことも重要です。

意外に思いますが、「ジュースを買うのはケチるのに使っていないサブスクを解約するのは面倒に思う」というタイプの方もいます。

一度見直せば節約が続くと思い、固定費の見直しに本腰を入れてみましょう。

「今月中に全部の利用料を見直す」など期限を区切るのがコツです。

貯蓄の基本3. 先取り貯蓄をする

毎月の残ったお金を「残し貯め」するのではなく、必ず「先取り貯蓄」を行うようにします。

毎月の貯金額を決めてしまい、使わないような仕組みを作ってしまうのがポイントです。

貯蓄専用の口座を開設して自動積立定期貯金を利用してもいいですし、会社に制度があれば「財形貯蓄」や「社内預金」を使うのもいいですね。

一番避けたいのは「給料日にATMで一定額を引き出し、別の口座に入金する」という方法です。

頑張っている感は得られますが、労力が大きいほどに長続きがしにくいものです。

貯蓄が苦手な人ほど「貯まる仕組み」というハード面の整備が必要でしょう。