「年収400万円」にあてはまる世帯は全体の何割か

国税庁の「民間給与実態調査統計」によると、令和2年の日本人の平均年収は433万円でした。このことから、日本の平均年収は400万円だと言われています。

出所:国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」

平均である433万円を含む「年収400万円超500万円以下」に該当する割合を見てみると、全体の14.6%です。

「年収400万円以下」に広げた割合を見てみましょう。ここに属する人は55.1%となっていることから、全体の半分以上は年収400万円に満たないというのが日本人の給与水準なのです。

同調査の対象者は給与所得者です。フリーランスや経営者等は入りませんが、派遣社員など非正規雇用の給与額は含まれます。

次に、国税庁が現在掲載している同資料の中で一番年次の古い「平成9年版」をつかって当時の年収水準と比較してみました。

令和2年の平均年収

1年を通じて勤務した給与所得者総数…5245万人

平均年収(全体)…433万円

  • 平均年収(男性)…532万円
  • 平均年収(女性)…293万円

平成9年の平均年収

1年を通じて勤務した給与所得者総数…4526万人

平均年収(全体)…467万円

  • 平均年収(男性)…577万円
  • 平均年収(女性)…279万円

給与所得者数自体は719万人増加しており、女性の社会進出や定年後の再雇用など影響していると考えられます。

ただし、女性の社会進出とはいっても実態はパート勤務が多いです。定年後も同じ給与水準の方は少数派でしょう。加えて、30年前にはなかった派遣という働き方も増えたことにより、平均年収は同じラインを推移していると考えられます。

他の先進国が同じ期間に40~50%近い賃金上昇率をみせる中、日本はほとんど成長をしないまま、30年もの時を過ごしてしまったのです。