経済的自立と早期リタイアを意味する「FIRE」(Financial Independence, Retire Earlyの略)。

老後資金や数々の値上げなどお金に関する不安が高まる一方で、FIREに憧れを抱く方もいるでしょう。

最近では60代でも働く方が多いですが、働くこと以外で得る収入、つまり「不労所得」に注目も集まっています。リスクはあるものの、「仕事以外で収入が入る」という安心感はあるものです。

今回は今のシニア世代で年金だけで生活する世帯を確認しながら、月10万円の不労所得を作る方法についてみていきましょう。

【注目記事】厚生年金「平均14万円」の注意点3つ【年金受給額】収入による格差も確認を

1. 老後「年金だけで生活する世帯」は少ない。国民年金と厚生年金の平均額は

FIREが話題になりますが、一方で年金への不安は拭えません。

厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によれば、年金のみで生活している世帯は48.4%。

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出典:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」

「老後2000万円問題」が話題となったのは2019年ですが、今のシニア世代でも年金のみで生活できているのは約半数なのです。

「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均月額は以下の通り。

国民年金の年金月額

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出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元にLIMO編集部作成

 

全体平均月額:5万6252円

  • 男子平均月額:5万9040円
  • 女子平均月額:5万4112円

厚生年金の年金月額

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出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元にLIMO編集部作成

全体平均月額:14万4366円

  • 男子平均月額:16万4742円
  • 女子平均月額:10万3808円

国民年金では5万円台、厚生年金では男性で16万円台、女性で10万円台が平均です。

夫婦であれば生活できる場合もありますが、夫婦ともに国民年金や単身世帯だと厳しいでしょう。

また、令和4年度には年金額が0.4%引き下げられています。

少子高齢化の今、現役世代の年金額は上記より下がる可能性があります。それを踏まえた上で、老後までの資産設計が必要でしょう。

2. 【投資FIRE】不労所得は月いくら必要か

FIREをはじめるにあたり、まずは目標金額を明確にすることが大切です。

総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」を参考に、二人以上世帯の月の支出をみていきましょう。

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出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

消費支出の平均は二人以上の世帯で27万9024円でした。

非消費支出(税金や社会保険料など)を足すと、一般的には月30万円あると生活できると言えそうですね。

ただ、仕事を辞めた後は支出が変わる方も多いでしょう。「仕事をやめた後に減る・増えるお金」や「病気や介護が必要になったときのお金」なども想定してマネープランを立てておきたいところです。

また、実際に月30万円の不労所得を作ってFIREをおこなうにはまとまった資産が必要なるケースがほとんどです。どの方法でFIREするかによってリスクも異なりますし、社会情勢によっては再度働く必要が出てくる場合もあるでしょう。

月30万円は難しくても、将来の年金受給額も加味して月10万円程度の不労所得を作る方法もあります。最近では勤労所得と不労所得を組み合わせたり、数年で年金をもらい始めることを前提にFIREをおこなったりする「プチFIRE、サイドFIRE、ゆるFIRE」という方法もあります。

今回は月10万円の不労所得を作る方法を見ていきましょう。

3. 【投資FIRE】不労所得月10万円の作り方3選

月10万円の不労所得を作る方法は以下のとおりです。

3.1 投資FIRE「不労所得月10万円」の作り方1:高配当株

不労所得を得るためにはさまざまな方法がありますが、身近なものでは株式が挙げられるでしょう。

株式の中には配当が出る企業もあり、高配当の株を1~12月まで毎月配当金が入るよう保有すれば、不労所得が手に入ります。

ただしもちろん株式ですので、株価の値下がりや業績によっては期待していた配当が入らないなどのリスクはあります。

3.2 投資FIRE「不労所得月10万円」の作り方2:債券

リスクを抑えたい方に向いているのは株式よりも債券です。

債券は国や企業などが発行するもので、債券の購入者からお金を借りる代わりに利息が支払われ、満期がきたら元本が戻ります。

ただし、日本の金利水準では高くても1%台なのでまとまった元本が必要となるでしょう。3~4%の金利を求めるとすると外貨建て債券になります。

株式よりはリスクが低いといっても、価格変動や為替リスクはあります。

3.3 投資FIRE「不労所得月10万円」の作り方3:投資信託

投資信託は投資家から集めたお金をひとつの大きな資金を、運用の専門家が株式や債券などで運用する金融商品です。最近ではつみたてNISAなどでも人気ですね。

ただつみたてNISAでインデックスファンド等に運用する場合、毎月不労所得があるというよりも、長期間運用する中で売却して資金を取り崩すことになります。

不労所得で毎月収入を得る場合には、「毎月分配型」の投資信託になります。しかし実際には運用利益が出ていなくても分配金が支払われる仕組みになっており、基準価格が上がらない・将来の分配金が減るといったリスクもあります。

一方で、最近では予め決められた基準価格の水準に応じて、決まった金額を分配金として出すタイプの「予想分配型」もあります。

予想分配型も必ずしも利益が分配金が出ているとは限らないなど、リスクはあるので覚えておきましょう。

4. 投資FIRE「不労所得」は向き・不向きやリスクを考えて行おう

月10万円の不労所得を作る方法をご紹介しましたが、いずれも向き・不向きやリスクがあります。

どの方法が合っているかは人それぞれですので、まずは情報収集をしてご自身に合ったものを探しましょう。

リスクを確認したら、早いうちから少額でもはじめてみると良いでしょう。実際に運用をはじめることで知識や経験が増えたり、またリスクに対する自分の許容度や、どの不労所得が自分に向いているか等も具体的にわかります。

段階を踏んで不労所得作りに挑戦することで、FIREがより現実的になるでしょう。

参考資料