65歳以上では非正規雇用の従業員が7割以上占める

「正規の職員・従業員」と「非正規の職員・従業員」の合計に占める非正規の職員・従業員の割合は36.7%。

出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2021年(令和3年)平均結果の概要」

さらに、年齢階級別にみると65歳以上は2021年平均で75.9%、15~24歳は48.8%、55~64歳は44.5%、45~54歳は31.0%、35~44歳は27.1%、25~34歳は22.5%となっています。

学生のアルバイトが含まれる15〜24歳を除くと、60歳で定年を迎える時期にあたる55〜64歳や65歳以上になると、非正規の割合は大きく増えています。

前出の正規の職員・従業員と非正規の職員・従業員の年間収入の図表で、それぞれのボリュームゾーンを見てみると、男性の場合は正規の職員・従業員が500~699万円、非正規の職員・従業員が100万円未満、女性の場合は同様にそれぞれ200~299万円、100万円未満となっています。

退職後に継続して働くとしても、収入は大きくダウンする可能性が高いといえますから、注意が必要でしょう。

まとめにかえて

正規雇用と非正規雇用では、年収に大きな違いがありますし、健康保険や将来の年金の部分でも差があります。

もちろん金銭面や待遇面でのメリットは魅力的ではあるものの、それ以上にライフスタイルに合わせた柔軟性のある働き方を求めて、非正規雇用を選んでいる人も多いようです。

また、積極的に家事や育児をしてくれる男性も増えてきているとはいえ、結婚後の女性の家事や育児の負担は少なくありません。

仕事と家事の両立を図りながら働くとなると、配偶者の扶養の範囲内で働くパートという選択になるのも無理はなく、子どもの成長と共にかさんでいく教育費を稼ぐために、30代半ばから非正規で働く女性が増えるのも、納得がいくといえるのではないでしょうか。

参考資料

中野 令子