1. 不動産投資における「損益通算」とは

不動産投資における「損益通算」とは、不動産投資による所得が赤字の場合に、会社員の給与所得など他の所得から差し引いて計算することをいいます。

つまり、損益通算で不動産所得の赤字分が他の所得と相殺されることにより、課税対象となる金額が小さくなるということ。損益通算により支払う税金が少なくなるケースもあるため、節税効果があるといわれているのです。

通常、会社員は毎月の給与から所得税などが源泉徴収されています。不動産所得が赤字になった場合は給与所得との損益通算により合計の所得が少なくなるでしょう。給与所得にかかる税金が給与から天引きされている場合、支払い過ぎている赤字分の税金は確定申告をすることにより還付されます。

ところで、いくら節税になるとはいえ、赤字になってしまうのはよくないのでは?と疑問に感じる方がいるかもしれません。

しかし、不動産投資では建物などの減価償却費が経費として計上できるため、キャッシュフロー上は黒字であっても減価償却により「帳簿上は赤字」ということがあり得るのです。つまり、良い赤字と悪い赤字があるということ。不動産投資を行う場合は、減価償却費の活用も重要であるといえるでしょう。